残るのがドイツと日本 半年、1年後に世界中ふるい (2012.06.14)
円が対ユーロで3日ぶり反落。小康を取り戻した。日経平均は割高なNYダウに馴染まず、CME8565円とSQ値8613円の波間。いたいけなもの。4月機械受注統計5.7%増になびかない。日本企業は円ドル78〜80円でも今期2割増益。キャッシュフロー62兆円抱え設備投資に備えたことも知っている。スペイン10年債利回りが7%に迫り、うろたえた外資が日計りで売り買い煽っている印象。証券会社のディーラーも擦り切れてきた。14〜15日の日銀政策決定会合、17日ギリシャ再選挙、19〜20日のFOMCが迫っているためだ。分水嶺に違いないが、今年12月と来年5月も関門と述べた。フォトンベルト、「住専」グローバル版が本格化。世界中ふるいにかかる見込み。結論からいうと、残るのがドイツと日本。英米や中国など戦勝国に打つ手なし。これから半年、1年で20世紀の流れが一変しそうだ。そこで、紹介するのがスコットランド出身の歴史学者N・ファーガソン。ハーバード大教授でまだ50前と若いが、昨年11月9日付ウォール・ストリート・ジャーナルに寄せた「2021新しい欧州」が面白い。旧聞だが右か左か右という感触で依然新鮮。なかなかのものだ。彼によると、ユーロは残る。しかし、今の形で残らない。EUを抜け出した英国が以前独立したアイルランドと再統合。アイルランドはEU本部のあるベルギーより英国の方がいいという。同本部はオーストリア・ウィーン(形式上ドイツ民族の帝都)に移転する。北欧は独立心が強く、アイスランドを迎え北部同盟をつくる。EUはドイツを中心に欧州合衆国となる。東欧が入り、オランダ語とフランス語に割れていたベルギーが2国になり加盟国29。ウクライナも参加する見込み。同合衆国はドイツのある北部とギリシャ、イタリア、スペインなど南部と格差拡大。南部の失業率20%になるが、連邦制のため北部から資金が流れるしくみ。中東は、2012年にイスラエルがイランの核施設を攻撃。イランはガザ地区やレバノンに反撃。米国の戦艦を拘束し全員人質にするためオバマ再選なしという。将来は暗くない。国はそれぞれ然るべきところに収まる。出たい国、とどまりたい国を一本に束ね、現状を維持しようとしても困難というわけだ。日本の場合、昨年駄目押し、とどめといわれた大震災、原発事故、超円高、タイ洪水さえこなし出直り。戦勝国、敗戦国いずれも味方に取り込もうと袖を引っ張られている。早ければ半年か1年後、消去法による株高が始まりそうだ。
日経平均は51円高。8587円の引け。出来高14億2800万株、売買代金8300億円と閑散。見送りに拍車がかかった。持ち駒で■■■■■■■■(****)が孤軍奮闘。■■■(****)も健闘の部類。■■■■■(****)が頭打ちなほか、住友鉱山(5713)も煮え切らない推移。■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■(****)などボトム圏。それでも、峠を越したフェイスブック、アップル、サムスンよりずっとマシ。マイクロソフト、インテルもネタが割れてからじり貧。お粗末なてんまつだ。米国の典型だった高収益の巨大企業も晴れ舞台から消えていくさだめ。国際金融資本の崩壊がもたらすもので、ロスチャイルドのロックフェラー吸収合併が核心に迫るもの。やむなく合併に追い込まれた日本の三井住友に似ている。(了凡)