ユーロ売りが先行指標 根負けするな消去法で日本 (2012.06.12)
週明け高い。積み上がっていたユーロ先物売りを口火に買い戻し一色。前週末の売り煽りが買い煽りに変わった。9日ユーロ圏の財務相が緊急電話会議で10兆円のスペイン支援を合意したという。手に負えないギリシャを棚上げしてリップサービス。待ったをかけたわけで、10兆円の出どころがおぼつかない。98年に市場統合し02年からユーロが流通して10年。PIIGSのうちPIGが陥落し、スペインでつかまりそうな気配。ECBは綱渡り。無期限特融に追い込まれた。イタリアに波及すると対応できないためで、古いDNAをひきずり限界がきても決断できない体質。欧州統合、ワンワールドの幻想に取り憑かれたまま。本音を代弁すると、ユーロ存続より廃止のダメージの方が大きい。しかし、スペインに泣きつかれ存続も困難になってきた。奉加帳が回ってきても泥棒に追い銭。出そうと出すまいと死に体。半端にすると延命を助長するだけ。本気なら米国のように出さない方がいい。主因はユーロ圏の経済が弱いためだ。受け売りだが、08年米国製造業の時給100に対し欧州134、日本86。同様に東アジア41、メキシコ13、フィリピン5、中国4という。稼ぎの割に給料が世界一高い。南欧中心にドイツとフランスの信用で低金利融資を受け、返すことなく公務員給与や年金嵩上げ、勤労者の時給改善など10年有余。ツケがたまり身動きとれなくなった。英国も慢性的な経常赤字。インフレ政策で借金の部分踏み倒し60年以上。サッチャー以降、人頭税に踏み切る一方で大企業と金融業を優遇し、あげくサブプライムローンにひっかかりシティも大破した。表向きPIIGS債権残高を見ると、フランス54兆円でGDPの25%、ドイツ4兆円で15%、英国28兆円で12%。日本は上位8ヵ国の圏外。アイルランド、スペイン、イタリア向け計7兆円で1.3%。米国14兆円で1.2%という。つまり、日米はPIIGSデフォルトの影響が極めて小さい。
日経平均は165円高。8624円の引け。8日のSQ値8613円を上回った。出来高14億5800万株、売買代金8900億円と低水準。スペイン危機一服のほか支援材料が見当たらず。買い戻しにとどまった。12日手返しとみられ、日計りが多い。■■■(****)は831円で引けた。■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)より値上がり率が高い。OTS(4564)が11万6800円と小反発。16日千葉徳州会の治験経過と、30日NHKスペシャル「検証・日本のがん医療」(19時30分〜20時43分)が新たな手掛かり。■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■(****)など振り向くはずだ。■■■■■■(****)、■■■■■(****)も個別につき合える。■■■■(****)は出遅れ。今期受注88億円(36%増)の見込みで特命工事が大半。空港滑走路や護岸の液状化対策、工場、貯蔵タンクなど耐震補強や沈下修正にも拡大。数年集中する見込み。利益が出るはずだ。一株当たり純資産448円が目安になる。このところ、ユーロ売りが先行指標。売り煽り、買い煽りの末、17日ギリシャ再選挙を巡り、今週末と来週明けクライマックス。さらに、しつこく尾を引く見通し。欧米は日本と違って諦めの悪いリーダーが大半。根負けしないことだ。消去法でいくと日本しか残らない。やがて株も上がるはずだ。(了凡)