外資のポジション動揺 欧米もゼロ金利で日本の後追い (2012.05.17)
欧米株安を受けて続落。後場アジアにも広がり一段安。依然、示しがつかない。ボトム圏に違いないが、反発のきっかけをつかめないためで、18日フェイスブックの上場がひとつの手掛かり。国内勢は比較的落ち着いており、むしろ外資のポジションに動揺がうかがえる。たとえば、14日ギリシャのユーロ脱退を見越した先物売りが予想以上。材料次第で買い戻しが入り円安に振れる。日経平均8600円が下値の目安と述べた。欧米債務危機に対し、日本の住専を前例に何が何でもデフォルト阻止。当時あれほど日本をけなしていた彼らが、ぶざまな見本を手本に踏襲する模様。リーマンショックから5年後、2013年に住専のグローバル版登場。15、16年にかけて本番入りと述べた通り。ほかに教科書が見当たらず、意外とそっくり進行しそうだ。3日与党が地方選で大敗した英国も同じ運命。丸2年がんじがらめの緊縮財政が限界に達し、ロンドン五輪(7月28日〜8月12日)後たまったマグマが出てきそうな情勢。日経が16日伝えたように、14日ムーディーズのイタリア26金融機関格下げから外資の売りが目立っている。再びギリシャ、アイルランド選も厄介な材料。株や債券のほか原油、金先物まで売りヘッジ。21日が新月にあたり、来週転機とみられる。つまり、危機を買い安堵を売る場面。政府と中央銀行による管理相場になった。16日一息ついたのが大塚HD(4578)。上場来高値2500円で引けた。OTS(4564)は11万5000円の引け。15日10万9000円をつけて底練り。四方八方材料待ちだ。初めて週明け9時に決算発表し、従来と一線を画した経過にある。国内より米仏やシンガポールで製造承認となれば、3、4日ストップ高。たちまち20万円台に乗せてくる。ところで、欧米もゼロ金利。日本の後追いだ。世界の金融史が完全に転換したという。きっかけが、ミスター円こと榊原英資。95年7月の公定歩合大幅引き下げ。ハーバード大の友人サマーズ元米財務長官の要請を入れ為替協調介入。以来17年円キャリーを引っ張った。国内の金融機関が預金者にゼロ金利を強制し、本来支払うべき自然金利(3%前後)を収奪。国民の預金を国内に回さず、外資を通じて中国や米国に供給。数年前、ある学者が500兆円と試算したが、サラ金の倒産や過払い利息を含め延べ1000兆円にのぼるという。政府を通じて米国や中国に流れ、国民は円高デフレ、消費税引き上げのWパンチ。やらずぶったくりだ。
日経平均は99円安。8801円の引け。1月30日以来の安値になった。出来高19億8200万株、売買代金1兆1800億円。前日の新安値555(東証1部)から追い証、処分売りが急増している。しかし、メガバンクが昨年から国債売り越し。新発10年債利回り0.850%の現状から債券頭打ち。米大統領選を踏まえ、ロンドン五輪にかけて持ち直すはずだ。信用不安におののく外資の方が分が悪い。以前述べた横河電機(6841)、いすゞ(7202)、長瀬産業(8012)など突っ込み買い。取り組みも手掛かりになる。何もかもこれから。住専のグローバル版をこなしてこそ本番の備え。消去法で日本が残る。ワンワールドを唱え、グローバル・フォースを通じて天狗になっていた白人たちが音を上げ始めた。今週末か来週明け底入れ。途転買いのタイミング。急反発が予想される。(了凡)