しのぎしのいで3年後 何が何でもデフォルト阻止 (2012.05.16)
再び全面安。日経平均のほかJQ、マザーズも安い。浮き足立ってきた。欧州債務危機によるもので、13日ドイツ州議会選でメルケルのCDU(キリスト教民主同盟)大敗。14日シカゴオプション取引所の恐怖指数が1月17日以来21.89に跳ね上がり、15日ギリシャ国債償還が焦点という。黄金分割で下値の目安と述べた8600円が迫ってきた。GW明け261円安に対し前週末応答なし。週初買い戻しが一巡し下げているもので、途転買いのタイミング。相場はギリシャにつぎスペインのデフォルトを織り込み始めた。しかし、まだ殺すわけにいかずここから長い。スペインがいくとイタリアに仏、独もアウト。PIIGS債400兆円に対し、100兆円債務保証している米銀もパンク。おのずと日本も丸裸にされるためだ。振り返ると、バブル崩壊から5年目に噴出した住専8社騒動の前例。6兆4000億円の損失処理を巡り母体行と貸し手責任が対立。二次損失1兆3900億円を含め、95年12月の閣議決定で折り合った。97年、98年に大規模な金融危機。旧三洋や山一、長銀、拓銀、日債銀など相次ぎ破綻。本番がやってきた。今回、グローバル版。来年リーマンショックから5年を数え住専レベル。3年後に備えるわけだ。欧米は無論、中国も日本のバブル崩壊・破綻処理を吸収しようとしゃかりき。ところが、二の舞を避けようとすればするほど「日本化」するという。このため、今年と来年「住専」から学ぶところ。米国でもファニーとフレディ二つの巨大住専を事実上棚上げ。ギリシャでもちこたえても、スペインがいくと世界心中。自前のCDS(倒産保険)がとどめとみられる。よって、何が何でもデフォルト阻止。追加緩和をはじめ、小出し、先送り、支払猶予など時間稼ぎ。しのぎしのいで3年後腹をくくる構え。ちなみに、スペインの負債計327兆円。ギリシャの8倍にあたり、国債77兆円と民間債務250兆円。ギリシャ並み7割カットで230兆円。ECBが全額特融するとしたら見ものだ。ユーロ暴落による損失500兆円という試算もある。そういえば、日経が15日後場ROEを持ち出して援軍。14日まで集計した上場企業の今期純益予想が62.8%増になり、マジックナンバー7%を超えるという。改めて為替を見ると、円ドル79円台後半、ユーロ102円台後半である。反転が迫ってきた。
日経平均は73円安。後場寄りあと135円安になったが大引け8900円。出来高20億5900万株、売買代金1兆1500億円。TOPIXが1%以上下げ、日銀のPKOを見越したものだ。■■■(****)は11万8700円の引け。一時10万9000円をつけ、出来高2908株にも手ごたえ。逆三尊で底入れした。6月から上昇運で切り返す見込み。関連では■■■(****)が998円と堅調。3月29日の契約が手掛かり。もう一度振ってくれば途転買いが決まる。半面、見送っていた■■■■■■(****)が前場927円まであり、以前述べた800円台が視野に入った。来年予想されるグローバル版「住専危機」のヘッジ対象。円高修正、金先物安との兼ね合い。3年後、金融危機本番となれば独歩高も考えられる。■■■■■■(****)にも声がかかる見通し。フロンティアは、■■■■(****)、■■■■■■(****)、急落した■■■■(****)を含め航空機関連。ボーイング787、MRJをこなし生まれ変わる見通し。欧米の不良債権も公表の倍以上といわれるが、まだ驚くにあたらない。(了凡)