テンプルトンがヒント 来年選挙世界40か国で混乱に拍車 (2023.11.16)
全面高。日経平均大陽線の引け。転換点を迎えた。14日ダウ489ドル高を受けショート(売りポジション)の買い戻しに拍車。ウォ―ル街でベアが降参したという。同日発表された米CPI(10月)にコア指数も市場予想を下回り、直後米10年債が4.4%台前半まで下がったのがきっかけ。体験や嗅覚によらず高度な数学的データでクオンツ戦略に賭けたショートが戦線を縮小した。ブルームバーグによると、11月初めまでFRB議長のインフレ抑制失敗に賭けていたが、その後利上げが決定事項から外れ14日CPI発表に動転した模様。米国株と長期債に連動する2つのETF(上場投信)から判断して今年最大の上昇に弾みがついた。ゴールドマンのデータからクオンツ戦略をとるショートが1週間で世界の株と債券を約15兆円購入。今後も買い戻しが見込まれる。しかし、米金融当局の引き締め懸念が終了した旨の確信が14日債権の大幅上昇を促し米5年債20ベーシズポイント低下。米投資家は今後景気冷え込みに身構えている。年初来S&P500種17%上昇が割高に映るわけだ。仮にCPIがソフトランディングの材料でもショートの巻き戻し予想以上。CFTC(米商品先物取引委員会)のデータによると、10月に株の運用者がディフェンシブなポジションを取る一方、プロの投機家が保有する米国債のショート過去最高の水準。ゴールドマンで20年のベテランが11月の株と債券のボリューム最大級。基調が大きく変わり年末ラリーに向け動き出したという。日本から見ると、7月3日につけた年初来高値3万3753円にあと230円余り。プライムの出来高18億5900万株、売買代金4兆6300億円。値上がり1058(値下がり539)。依然物足りない。15日発表されたGDP7~9月2.1%減。3四半期ぶりマイナスで機が熟していない。同日米つなぎ予算が下院で可決され政府機関閉鎖に至らないものの、財政負担拡大から米国債格下げにつながる公算もある。イスラエル軍がガザ最大の病院で作戦を継続。ハマスに投降を求める事態。14~17日APECと米中・日中首脳会談も時間稼ぎに過ぎない。ウクライナの大統領がイスラエルにお株を奪われベソをかいている。ダウや日経平均と同様に全体でバランスを取らざるを得ない。7~9月持ち越した材料が10~12月巻き戻し。17日ショートの買い戻しが一巡するとロングの投げも考えられる。来年、世界主要40ヵ国で選挙があり混乱に拍車がかかる見通し。世界が分断する中で唯一日本が半導体の設備投資ラッシュ。テンプルトン(1912~2008)がいなくても見直される。
日経平均先物によると、15日大証ミニ3万3550円(+0.30%)に対しラージ同、シカゴ同。現物より30円高い。ダウ先物3万5004ドル(+0.34%)。同176ドル高い。VIX恐怖指数14.24(+0.56%)、WTI原油先物77.85(-0.52%)。金先物1977(+0.54%)、ビットコイン円5,449,829(+1.63%)。
15日の日経平均823円高。大引け3万3519円。TOPIX2373(+27)。10年債0.790%(-0.060)。米10年債4.462%(+0.016)。上海総合3072(+0.55%)、香港ハンセン18,079(+3.92%)、インドNifty19,675(+1.19%)。ロシアRTS1126(+0.90%)。グロース691.74(+2.88%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■(****)など。テンプルトンがヒントになる。(了凡)