日米のベクトル対極に 米国ピークアウト日本ボトムアウト (2023.02.02)
小反発。日経平均小陰線の引け。高寄り後見送られた。日本時間2日未明FOMC、3日米雇用統計発表を控え、前日米主要3指数急反発に拘らず模様眺め。嵐の前の静けさだ。ウォール街の情報によると、昨年12月の調査で米国人の64%がその日暮らし。10万ドル以上収入があっても余裕なし。インフレが財布を蝕み、給料ギリギリの生活を送る人が過去最高という。この上、30年前バブル崩壊で米国に渡ったマネーが日本に戻ってくると底が抜ける。米中のほか欧州やロシアも似た運命にあり正念場。世界の大国が軒並み消耗戦につかまった。コロナ禍・ウクライナ危機によるもので長期化。共倒れの危機とみられる。米国株が1982年から40年上昇しピークアウトしたのに対し、日本株は1990年から30年調整しボトムアウト。双方ベクトルが対極になった。ブルームバーグによると、次期日銀総裁に求められるのは危機管理でなく、シンプルで普通のセントラルバンカー。10年前、デフレ脱却に向けた緊急対応を必要としない。大きな約束をせず期待以上の成果を出せばよい。求められるのが金融を若干引き締め、世界景気の後退に注意し適切に対応する標準的なもの。「異次元緩和」なるバズーカ砲が慎重に組み立てられたパズル最後の一片だったという。2012年末首相に返り咲いた安倍氏が2%インフレ目標を掲げ、「アベノミクス」としてパッケージを打ち出し、日本の退潮を管理していると批判された当時の日銀総裁白川氏に異を唱えた。財政出動、規制改革、経済成長に舵を切り必要なら何でもやると腹をくくった。日銀が協力しないと独立性をそぐ法改正を進めると迫り、その後の軌跡を変えた極めて重大な瞬間。安倍氏が正しかったという。一方、岸田氏の「新しい資本主義」という経済政策。有権者や専門家、外国人投資家の共感を得られていない。そこで、春闘が焦点。30年実現できなかった賃上げとインフレの好循環を期待できる。首相や日銀総裁も国民を鼓舞するのでなく事態正常化に向けて地道な努力が望まれるわけだ。前日述べた歴史に残る国家総力戦。紆余曲折の末、日本に分がある。30年デフレを持ち堪え反転のスケールが大きい。総務省が11月20日発表した消費者物価指数4.0%上昇(12月)が手掛かり。41年ぶりバブルの走りと考えられる。バフェット氏の商社株買いをきっかけに資産インフレの風が吹き始めた。バイオ関連も宝の山という。
日経平均先物によると、1日大証ミニ2万7270円(-0.15%)に対しラージ同、シカゴ7240円。現物より107円安い。ダウ先物3万4013ドル(-0.42%)。同73ドル安い。VIX恐怖指数19.58(-1.81%)、WTI原油先物79.07(+0.27%)。金先物1944(-0.02%)、ビットコイン円3,004,683(-0.32%)。
1日の日経平均19円高。大引け2万7346円。TOPIX1972(-3)。プライムの出来高11億0900万株、売買代金2兆8500億円。値上がり749(値下がり1014)。10年債0.480%(-0.010)。米10年債3.482%(-0.039)。上海総合3284(+0.90%)、香港ハンセン22,072(+1.05%)、インドNifty17,616(-0.26%)。ロシアRTS1007(+0.66%)。マザーズ783.18(+0.93%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■(****)、■■■■■■■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)、■■■(****)など。日米のベクトル対極が興味深い。(了凡)