日本に声がかかるはず どちらが勝って待っている混沌 (2022.12.12)
前週末3日ぶり反発。日経平均大陽線の引け。後場膠着状態になった。8日米主要3指数反発によるもので、半導体関連の買い戻し一巡後模様眺め。9日市場予想を上回った米PPI(卸売物価指数)を受けて先物反落。13、14日イベント前の駆け引きが続いている。急激な利上げと金融引き締めに拘らず生かさず殺さずもみ合い。8日、テキサスで米財務長官が「景気後退は避けられないものでない」と一喝。多くのエコノミストが23年不況入りというが、サプライチェーンの制約が緩和しており「インフレを抑え正しい軌道に向かっている」とエール。時間稼ぎとみられる。コロナやウクライナ危機に匹敵するもので、引き締めピッチが鈍っても影響が長期に及ぶとの見方が一般的。売っても買ってもサマにならないわけだ。旧聞だが、フォーリン・アフェアーズ(2014年9月)によると、米国はウクライナに欧米の価値観を浸透し民主化を促した。ロシアは国境に大規模な軍隊を送り込み介入も辞さない構え。ウクライナは戦略的に重要なバッファー(緩衝)国家。現状の儘ならロシアとの敵対関係が激しくなり誰もが敗者。どちらが勝っても待っている混沌。今から備えが必要という。ロシアが負けると内部分裂で民族ごと分断した小国が核保有の畏れ。勝つとウクライナに肩入れした米国の権威が失墜し欧米主要銀破綻の危機。来年ケリがつくといわれ、埒が明かないわけだ。受け売りだが、ナポレオン戦争やドイツの旧ソ連侵攻もロシアにとって祖国防衛戦争。前線から消耗戦となり兵站補給が生命線になった。戦闘能力を左右するのが経済力と資金力。カネの切れ目が縁の切れ目という。日本の場合、東西共倒れの危機に持ち堪える上で23年正念場。西側に肩入れしている分漁夫の利。ペリー来航(1853年)やミズーリ号(1945年)、戦後復興の経緯から米国に逆らえない。維新、敗戦でハイパーインフレを経験し、バブル崩壊30年首までデフレに浸かりしのいだ。これらの経験が来年から生きてくる。経団連がDXやサプライチェーン強化を目指し国内投資100兆円に拡大。22年度第2次補正を呼び水に8日官民連携フォーラム初会合を開いた。海外がインフレからデフレなら国内はデフレからインフレ。経済のバッファーになりそうだ。世界金融で円がスイスフランと並び「駆け込み寺」といわれる。23年5月19日から21日まで広島でG7サミットがあり日本の出番。いつまでも米国の利上げや金融引き締め、景気後退懸念にうつつを抜かしていられない。声がかかるはずだ。
日経平均先物によると、直近大証ミニ2万7745円(-0.38%)に対しラージ7750円、シカゴ7700円。現物より201円安い。ダウ先物3万3487ドル(-0.93%)。同11ドル高い。VIX恐怖指数22.83(+2.42%)、WTI原油先物71.59(+0.18%)。金先物1809(+0.44%)、ビットコイン円2,345,267(+0.17%)。
9日の日経平均326円高。大引け2万7901円。TOPIX1961(+20)。プライムの出来高11億2500万株、売買代金2兆9300億円。値上がり1387(値下がり372)。10年債0.245%(-0.005)。米10年債3.566%(+0.082)。上海総合3206(+0.30%)、香港ハンセン19,900(+2.32%)、インドNifty18,496(-0.61%)、ロシアRTS1099(+0.23%)。マザーズ787.03(+1.59%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■■■(****)、■■■■■■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)など。恵まれたポジションにある。(了凡)