事なきを得て持ち直す 乗り切ると金座10年尻上がりに (2022.11.17)
小幅続伸。日経平均小陽線の引け。5日線2万7938円を上回った。15日米主要3指数反発を受けたもので、引け後先物も小確り。事なきを得た。G20サミット進行中、ロシアのミサイルがNATO加盟国ポーランドに着弾し一時大騒ぎ。米大統領が暫定情報をもとに冷静な対応を呼びかけ持ち直した。同日発表された10月の米PPI(卸売物価指数)が前月比+0.2%にとどまり市場予想(+0.4%)を下回ったのが幸い。決算発表一巡の折り、11月末「ブラックフライディー」(米個人消費を促す大規模セール)を控え戻りに未練。米CPIに続き同PPIもインフレピークアウトを示唆している。ウォルマートの22年8~10月期に明らか。上方修正し7%急騰したものの、臨時増員計画が4万人超(前年15万人)で物足りない。景気後退リスク高止まりによるものだ。中国も新築住宅価格が10月主要都市の83%に拡大という。ゼロコロナ政策の影響で景気下振れ懸念が現実になった。国内でもエネルギーや材料、物流費高騰など価格転嫁した矢先引き合い低迷。需要の落ち込みが目立つ。彼我ともに消耗戦。腫れ物に触る地合いだ。前日、インドと日本の出番。安倍元首相の開かれたインド太平洋と述べた。米中に欧州、ロシアも手詰まり。日米豪印によるQuad(クアッド)が局面打開の手掛かり。インドの「中国・ロシア離れ」が伝えられ元首相の思惑通り。米豪印の宗主国が共通しており、インドでIT産業が発達し米シリコンバレーに多数インド系が活躍。対米感情が好転したという。英国でインド系の首相が誕生したのも伏線とみられる。インドにとって最大のライバルが中国。経済依存脱却を目指し2011年日本とEPA(包括経済連携協定)、22年豪州とFTA(暫定的な自由貿易協定)を結んだ。20年に安保を見直し米国とBECA(地理空間協力)のため交換・協力協定に踏み切った。中国と国境を巡る紛争を抱えているのも事実でインド軍が米軍と演習を実施。高度な地図や衛星画像など機密情報を共有する狙いという。ロシアとも国境を接し、やむなく原油安売りを受け入れているが、「戦争どころでない」(モディ首相)のも事実。この上、中国・ロシア離れが進み日米側に近づくと元首相の思惑通り。台湾防衛を念頭に開かれたインド太平洋につながるわけだ。結局、消耗戦の限界で解け合いが関の山。持ち堪えたところが勝ち。自他ともにそうだ。来年前半正念場。乗り切ると金座(かねのくら)10年尻上がりだ。
日経平均先物によると、16日大証ミニ2万8030円(-0.04%)に対しラージ同、シカゴ8040円。現物より12円高い。ダウ先物3万3613ドル(+0.02%)。同11ドル高い。VIX恐怖指数24.36(+2.65%)、WTI原油先物86.64(-0.32%)。金先物1786(+0.55%)、ビットコイン円2,331,326(-0.72%)。
16日の日経平均38円高。大引け2万8028円。TOPIX1936(-1)。プライムの出来高12億2500万株、売買代金3兆5100億円。値がり940(値下がり821)。10年債0.240%変わらず。米10年債3.783%(-0.002)。上海総合3119(-0.45%)、香港ハンセン18,256(-0.47%)、インドNifty18,409(+0.03%)、ロシアRTS1164(+0.42%)。マザーズ791.44(+1.41%)。来年の走りだ。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)など。事なきを得て持ち直した。(了凡)