並外れたポジション 98年のLTCM破綻当時と瓜二つ (2022.09.12)
前週末続伸。日経平均小陽線の引け。SQ値2万8253円を下回った。8日米主要3指数続伸によるもので、9日さらに続伸したものの米機関投資家のプットオプション(売る権利)81億ドル購入が主因。過去22年最大規模という。同日米個人投資家協会の週間データも、今後半年強気18.1%(前週21.9%)に過ぎず4月以来の落ち込み。胴元モルガン・スタンレーさえS&P500が10~12月期3400(9日終値4067)と弱気一辺倒。薄商いで示しがつかない。10日からブラックアウト。20~21日FOMC、27日国葬、29日の日中50周年を通じて日本株に緊急避難。「駆け込み寺」になりかねない。日銀が量的緩和を優先し4年以下の短期債マイナス金利のまま。米2年債3.5%がリーマン危機の水準と重なり円安に拍車。転機が近い。96年1月105円台が日本の金融危機で98年8月147円になった。当時と瓜二つ。9日144円台をつけた。ファンダメンタルズに程遠い投機的な取引で裏目に出る公算が大きい。来年1~3月期アベノミクス巻き戻しに伴う走り。何より、ドル円チャートで200週(約4年)移動平均線から30%乖離し円高に転換する踊り場。これまで日銀が大手機関投資家やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の損失を埋めてきたものの、10~12月期経済合理性に限界がやってくる。98年8月ロシア財政危機をきっかけに大手ヘッジファンド「LTCM」が破綻。直後3ヵ月で147円から108円の円高に見舞われた。急激な金利上昇と株安で巨額の含み損を抱えたファンドも多く打撃が大きい。米中バブル崩壊に欧州も巻き込まれ、ロシアのウクライナ侵攻長期化で共倒れ。もはや、日本なしに安心、安全、安定もないという。バブル当時、世界の資金が日本に集まり時価総額4兆ドルといわれた。冷戦後すべて米国が持ち去った。しかし、米中とロシアによる新冷戦で再び日本に戻りつつある。コロナ後本格化するとみられ、20年末米国の時価総額40兆ドルにひきかえ当時の10倍。日経平均数年後5万円と述べた矢先、プライム、スタンダード、グロース挙げてテンバガーレベル。23年から様変わりだ。24年新1万円札発行、25年「ウーブンシティー」(未来実験都市)オープン。追って、リニア本格着工など日本の製造業復活。米国の製造業撤退からフル操業も考えられる。インバウンドも半端でない。
日経平均先物によると、直近大証ミニ2万8190円(+0.68%)に対しラージ同。シカゴ8185円。現物より30円安い。ダウ先物3万2143ドル(+1.19%)。同9ドル安い。VIX恐怖指数22.79(-3.47%)、WTI原油先物86.10(+3.06%)。金先物1727(+0.43%)。ビットコイン円3,043,739(-0.02%)。
9日の日経平均149円高。大引け2万8214円。TOPIX1965(+7)。プライムの出来高12億2400万株、売買代金3兆1400億円、値上がり1205(値下がり535)。10年債0.245%変わらず。米10年債3.305%(-0.015)。上海総合3262(+0.82%)、香港ハンセン19,362(+2.69%)、ロシアRTS1262(+2.02%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)など。並外れたポジションにある。(了凡)