9月の攻防が山場に 中国経済失速と半導体下方修正も (2022.08.19)
反落。日経平均短陰線の引け。一進一退だ。6日ぶりダウ反落を受けグロース(成長)中心の売り。5日線2万8890円を上回り底堅い。8月が今年の戻り高値としても、9月7日の売り方期日まで間がある。流動性の罠が鍵を握り死闘が続く旨述べた。NY市場でミーム(はやり株)が買われ、生活雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンドも餌食になった。業績不振に拘らず大株主のコール保有状況が材料で、熱狂の末17日売却意向が伝えられ時間外で急落。20、21年に続き夏の花火といわれる。同日発表されたFOMC(7月26~27日)要旨も、どこかの時点で利上げ減速と頼りない。同日ロシア黒海艦隊新司令官就任にもいえる。クリミア半島で爆発が相次ぎウクライナ攻勢。司令官の解任・逮捕が相次ぎロシア兵の士気低下が目立つという。米国も中間選を前に大統領支持率が落ち込み、捲土重来を目指すトランプ氏のトラブルが混乱に拍車。収まりそうにない。18日入手したのが中国経済の失速。7月の貿易黒字1010億ドルと記録的な水準だが、ロックダウンや不動産の取り締まり強化に伴う内需低迷を輸出の伸びで吸収したもの。最悪だ。世界が中国を貿易システムに迎えたのは14億人の「中産階級」を見越し、将来モノやサービス購入など見返りを期待できるため。それが「共同富裕」により株式市場のチャイナパニックを生み、中産階級入りした人民を叩き潰した。GDPの3分の1を占める住宅市場が調整に入り二進も三進もいかない。過去40年で大学進学率6割といわれ、経済が成功して安価な労働力が消えた。卒業しても高給どころか仕事がなく、不動産が高くなり過ぎて婚姻減と少子化を迫られた。今秋の党大会で習近平氏3期目。中国共産党が現状維持を認めたもので、これまでの成功が大きかった彼らが現体制最大の受益者で後続なしだ。もうひとつ。米国の半導体メーカーが突然の不振。メモリーチップ、PC、プロセッサーなどだぶつきが発生。供給不足と過剰在庫の対立がもたらし前代未聞といわれる。7月29日インテルが4~6月期業績不振を発表し業界全体に広がった。エヌビディア、マイクロン然り。アジアにも広がり、台湾のTSMCも在庫調整が来年後半まで続くという。サプライチェーンの間でソフトランディングが前提だが、22年の半導体下方修正。21年の伸び26%が22年13~7%。23年2.5%マイナス成長の見通しだ。
日経平均先物によると、18日大証ミニ2万9035円(+0.33%)に対しラージ9030円。シカゴ同。現物より88円高い。ダウ先物3万4011ドル(+0.14%)。同31ドル高い。VIX恐怖指数20.20(+2.59%)、WTI原油先物89.20(+1.24%)。金先物1784(+0.45%)、ビットコイン円3,172,749(+0.66%)。頬かむりしている。
18日の日経平均280円安。大引け2万8942円。TOPIX1990(-16)。プライムの出来高9億8700万株、売買代金2兆3000億円。値上がり486(値下がり1283)。10年債0.195%(+0.015)。米10年債2.875%(-0.023)。上海総合3277(-0.46%)、香港ハンセン19,763(-0.80%)、ロシアRTS1165(+2.60%)。マザーズ指数の引け755.12(-0.89%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)程度。9月の攻防が山場になりそうだ。(了凡)