来週明けつかえ下りる 米CPIに納税期限重なり需給悪化 (2021.05.14)
3日計2070円安。日経平均連続大陰線の引け。まだ消化できていない。12日米CPI前年同月比4.2%(市場予想3.6%)、米10年債1.69%を受け米主要3指数持ち高調整によるもの。13日未明の胸騒ぎが正夢になった。4月4.2%のうち、ガソリン50%や中古車・トラック21%など意外な伸び。統計上、1982~84年を100とする物価水準166.4。2001年2月のピーク160.4%を更新した。ワクチン接種、経済再開、一時給付金も重なり米景気が過熱したとみられ、5月以降インフレ警戒をもたらしたとの解釈が専ら。低迷した昨年の反動に人手や原材料の供給制約もあり物価上昇に跳ね返った。食品とエネルギーを除くコアCPIが1年前から3%上昇し1981年以来最大の伸び。ウォール街の予想にひきかえ3倍以上だ。しかし、米国では980万人の失業者に対し求人800万件といわれ過去最高。ミスマッチが続いている。このため、5月以降検証を迫られ需給悪化が株安要因。米国の場合、17日が納税期限で換金売り。来週明け、つかえが下りる見込みだ。12日、FRB副議長は「物価上昇が一時的で2022、23年2%乃至2%強に戻る」旨述べている。中古車価格が過去最高、レンターカーも8割増。4.2%が5月以降続くと考えにくい。12日物価連動債によると、今後10年の米予想インフレ率が年率2.56%(前日2.53%)にとどまり実質金利上昇。インフレになると低下するのが常。よって、インフレを織り込むのに時間がかかるという。12日、テスラがビットコインによるEV購入手続きを一時停止と発表し、日本時間13日午前7時直後にビットコイン急落。一時17%安となり乱高下。地合い悪化に拍車をかけた。4月にコインベース・グローバル(米交換所大手)がナスダックに上場し、5月ゴールドマンもビットコイン連動デリバティブの取り扱いを始めたばかり。2月にカナダで同ETF上場が認められ、ブラジルも追随している。SEC(米証券取引所委員会)がETF承認に条件をつける意向だが、ドルをはじめ世界の法定通貨が10年来の大規模緩和で紙切れと背中合わせ。準備通貨として幕間に欠かせない。テスラはマイニング(採掘)に伴う電力消費増を理由にしているが、ビットコインの相場を見ると下落分の半値戻し出直りの気配。物価連動国債と同様に市場の先見性が手掛かり。来週明け戻りを試すとみられる。
日経平均先物によると、13日大証ミニ2万7390円(-0.25%)に対しラージ同、シカゴ円建て7350円。現物より約100円安い。ダウ先物3万3398ドル(-0.33%)。同約200ドル安い。VIX恐怖指数26.51(+21.38%)、WTI原油先物64.72(-2.06%)。金先物1815(-0.39%)、ビットコイン円5,450,415(-0.04%)。余震が続いている。前日述べたナスダックが3月安値1万2609を下回るか否か焦点。26日満月にかけて2070円安の反動高が見込まれる。
13日の日経平均699円安。大引け2万7448円。TOPIX1849(-28)。東証一部の出来高14億0800万株、売買代金3兆0500億円。値上がり335(値下がり1800)。10年債0.090%(+0.015)。米10年債1.693%(-0.005)。上海総合が3429(-0.96%)で引けた。マザーズ指数の引け1065.38(-2.78%)。反転が近い。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)など。答えのない時代。あっても一つと限らない。科学どころか信仰の時代。市場に救世主が現れるのも遠くない。(了凡)