証券ビュー

アンコール伊勢町

格差拡大が禍のもと この儘いくと天地もひっくり返る (2021.04.07)

 4日ぶり反落。日経平均大陰線の引け。後場一段安だ。5日米主要3指数大幅続伸に拘らず織り込み済み。国債売りが一服し米10年債1.71%台で推移。インフレッ懸念が和らいだという。新年度入り3日で910円上昇し43%失った計算。前日の十字足を包む抱き線で目先天井だが、5日移動平均線2万9641円を上回り「株の金利離れ」が手掛かり。米国で来週から決算発表本格化。リフィニティブの金融情報によると、集計した主要500社の純利益が事前予想で1~3月期2割を超える見込み。材料出尽くし期待外れも伝えられる。7日、FOMC議事要旨公開然り。マクロの米企業収益と長期金利上昇が綱引きに入った。就中、ゴールドマンの大口クロスで発覚したアルケゴス関連評価損が足かせ。■■■■(****)2200億円にひきかえ、クレディスイス5200億円。第2、第3の損失計上も時間の問題という。5日ウォール・ストリート・ジャーナルによると、企業がパンデミックを受けてオンラインに転換する一方、消費者もEコマースをはじめデジタルサービスにシフト。長らく低迷した米国の労働生産性が加速するという。企業は値上げなしに労働者の賃金を引き上げインフレ圧力もなし。北米と欧州を対象に昨年12月の調査によると、75%の企業がテクノロジー向け投資を2020~24年にかけて加速する旨伝えられた。このため、国や国民の格差拡大に拍車。21世紀に入り一握りの企業や人間がプログラム、アルゴリズムを駆使して収益独占。従来人間の仕事を代替し、物理的な店舗や取引を不要にする時代という。1995年マイクロソフトのウィンドウズ95を口火にGAFAMが幕開け。AIや5G、DXなどデジタル化によるもので、人間の労働価値がどんどん低下。19世紀マルクスが「労働者の窮乏化」と述べた以上の変化が欧米や日本で起き、中国、インドにも広がるという。これらを食い止めているのが長期金利上昇といえなくもない。欧米一握りの企業が値上げなしに労働者の賃金を引き上げ、インフレ圧力を吸収し収益拡大できれば自己陶酔の世界。この儘いくと天地もひっくり返る。2001年同時多発テロ、11年東日本大震災。21年、何が起きるか気になるところだ。国民が憲法で定める「健康で文化的な最低限度の生活」を巡り4~5月、10~11月岐路に立たされる。米国が本気で中国と経済関係を断つと極度の不振に跳ね返り、取り返しがつかないだけに構造的な問題。日本にとっても死活問題になっている。
 日経平均先物によると、6日大証ミニ2万9820円(+0.40%)に対しラージ同、シカゴ円建て同。現物より約120円高い。ダウ先物3万3387ドル(-0.08%)。同約140ドル安い。VIX恐怖指数18.04(+4.10%)、WTI原油先物59.38(+1.24%)。金先物1737(+0.48%)、ビットコイン円6,450,000(-0.88%)。さざ波に過ぎない。半値戻し2万9300円を固め、12日新月にかけて買い物探し。じたばたしても始まらない。
 6日の日経平均392円安。大引け2万9696円。TOPIX1954(-29)。東証一部の出来高11億3500万株、売買代金2兆4900億円。値上がり248(値下がり1897)。10年債0.110%(-0.005)。米10年債1.691%(-0.011)。上海総合が3482(-0.04%)で引けた。マザーズ指数の引け1225.66(-1.21%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)など。格差拡大が禍のもとだ。(了凡)