SQ値上回り戻り試す 非常事態宣言本気でも原油先物安 (2020.03.16)
前週末大幅続落。日経平均中陰線の引け。SQ値1万7052円を上回った。後場、米国株先物が切り返しプラス転換。買い戻しによるもので、13日ダウ1985ドル高(12日2352ドル安)。トランプ氏の非常事態宣言を好感した。コロナの検査・治療に約5兆円予算計上する内容で、米国市場引け30分前から急騰。連邦政府が全ての機関、手段、資源を投入。1週間140万個、1ヵ月500万個の検査キットを用意し、ドライブスルー方式で検査を受けられる。ウォルマートが全米の駐車場を提供し、グーグルも専用サイトを立ち上げた。短期的に感染者急増が予想される一方、「短期的な犠牲が長期的な利益をもたらす」(トランプ氏)と本気。ポジション解消に拍車が掛かった。日経平均先物によると、13日大証の引け1万6790円(-7.44%)に対し夜間取引7920円、シカゴ円建て7910円。ダウ先物も2万2664ドル(+8.21%)と高い。半面、VIX恐怖指数57.83(-23.37%)、ビットコイン円581,232(-6.85%)も一服。週明け1140円上鞘。戻りを試すとみられる。リーマンショックと似てパニックに近いが、AIやデリバティブ(金融派生商品)による先物のシステム取引が目立ち、現物の売り越しや信用の投げも限られた。1927年3月14日、昭和恐慌入り。第1次大戦の好況から20年戦後不況に陥り、企業や銀行不良債権の山。23年の関東大震災で震災手形も不渡りとなり、同日衆院予算委員会で片岡蔵相(1859~1934)の「東京渡辺銀行が破綻した」旨発言が口火といわれる。米国の歴史でFRBが金利をゼロにした1930年代に見合うもので、リーマンショック直後2回目。17~18日FOMC(連邦公開市場委員会)で3日緊急利下げに続く追加利下げ。QE(量的緩和)再開なら3度目。絶体絶命のピンチだ。日本の場合、コロナの影響が消費増税や五輪延期、感染防止に伴う外出自粛要請と相俟って自律反発の余地が小さい。13日、年度末にかけて利食い千人力。待機資金をつくり、権利つき最終日(27日)までに買い戻す選択肢を述べた。10日満月売りに対し、24日新月買いが目安。4月8日の満月も変化日だ。気になるのが原油先物安。コロナで世界中血がのぼった矢先、4月からサウジとロシアの原油生産フル稼働。急ブレーキがかかった需要に対し、流動性不足による換金売りが止まらない。2015~16年チャイナショックと同様に3、4月原油価格急落懸念が足枷。OPECプラス非加盟国の価格競争がコストで割高な米シェールオイルに打撃。倒産続出も考えられる。チャイナショック当時、G20挙げて混乱をしのいだだけに、米国が非常事態宣言をきっかけに立ち直ると考えにくい。11日ロイターによると、ドイツ銀が4月30日償還期限のATI債12億5000万ドル債権返済オプション行使なし。市場混乱によるものという。ドイツも米中同様首が回らず、コロナを目くらましにモラトリアム(支払猶予)シフト。12日、サマーズ元財務長官(65)が「米国は本質的に日本と同じ状況に直面した」と述べ、「より大胆で実験的なアプローチが必要」という。
13日の日経平均1128円安。大引け1万7431円。TOPIX1261(-66)。東証一部の出来高34億5900万株、売買代金4兆8900億円。値上がり64(値下がり2099)。10年債0.005%(+0.070)。米10年債0.989%(+0.188)。上海総合が2887(-1.23%)で引けた。マザーズ指数の引け565.31(-5.75%)。時が来るまで待て。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■(****)、■■■■(****)の二つ。注目に値する。中国が唯一債券市場拡大に力を入れている。(了凡)