証券ビュー

アンコール伊勢町

半年1年後に様変わり スペイン風邪参考にサウジが異色 (2020.03.12)

 反落。日経平均中陰線の引け。昨年来安値を更新した。10日、アナウンスされた米景気対策。トランプ氏が欠席した上、財源難で具体性に欠ける。前日買い戻しが一巡し、前場時間外取引でダウ先物が下落。後場米国のコロナ感染者1000人超と伝えられ元の木阿弥だ。5日移動平均線のほか、25日、75日、200日線も下向き。長期の目安といわれる200日線と11日の引けが-12%超乖離し「売られ過ぎ」のままだ。引け後、英中銀の緊急利下げにコロナ対策も流れ日経平均先物反発。値幅のほか日柄整理も尾を引きそうだ。参考になるのがスペイン風邪(1918~19)。当時の株価で25~28%下落。今回、サーズ(重症急性呼吸症候群)よりダメージが大きいという。コロナのほか原油先物急落の後遺症もあり、高値から2割の調整で収まらない。2018年末2割安と同様に一旦買い戻しが入る場面。9日サーキットブレーカー(緊急取引停止装置)1回であく抜けしない。2回目13%、3回目20%を試すまで気が抜けない。S&P500のトレンドライン2500(10日2882)が転機という。市場力学と経済合理性の折り合いを意味するもので3、4月ふるい落とし。株をはじめ債券、金利、為替、原油先物など世界レベル。実体経済の影響を織り込むとみられ、スペイン風邪や新型インフルエンザ(2009~10)と並び2年の長期戦。10年以上続いたゴルディロックス(適温相場)の修正に相当する。空前の大ピンチに見舞われたイタリア。コロナ感染拡大に伴い収入の大部分を占めるミラノ、ヴェネツィアの打撃も大きい。旧「ローマ帝国」を物語る観光に頼っているためだ。あらぬ洪水で水没したヴェネツィアが痛々しい。14世紀の文豪ボッカチオ(1313~75)によると、有名な「デカメロン」の中で苦しむ人間を思いやるのは人間だけ。どんなに苦しくても不安、窮地に陥っても終わりがくる。いかなる場合も諦めない。平常心を保ち希望を持ち、無事乗り切る旨描かれている。今も昔も一緒だ。日経平均先物によると、11日大証の引け1万19370円(-2.22%)に対し夜間取引9430円、シカゴ円建て9410円と確り。半面、ダウ先物2万4339ドル(-2.05%)。VIX恐怖指数52.83(-2.99%)、ビットコイン円821,553(-1.03%)も締まりがない。ゆくゆく米国株がトランプ氏のスタート(ダウ1万9000ドル台)まで往って来いとの仮説が的を得ている。ゴールドマンによると、世界の株が高値から最大25%下落し、その後力強く回復するという。本尊筋のプロパガンダで願望に近い。サウジが異色の存在。昨年暮れアラムコを上場した矢先、4月から原油増産2割を表明。コロナに引けを取らない強力な材料だ。上がり過ぎた資産価格の調整入り。実体経済や金融システムの異常によるものでない。2年がかり、半年1年後に様変わり。3分1を含め半値戻しも選択肢。ワクチン開発なら全値戻しも考えられる。
 11日の日経平均451円安。大引け1万9416円。TOPIX1385(-21)。東証一部の出来高19億9600万株、売買代金3兆1200億円。値上がり393(値下がり1718)。10年債-0.070%(-0.020)。米10年債0.701%(-0.092)。上海総合が2968(-0.94%)で引けた。マザーズ指数の引け633.99(-4.72%)。止めとみられる。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)など。世界中、半年1年後に様変わりだ。(了凡)