証券ビュー

アンコール伊勢町

円安株高に転換し潮目 いずれヘッジファンドと死闘 (2012.02.10)

8日NYダウ1万2883ドルの引け。08年5月19日以来3年9ヵ月ぶり高値。近くギリシャ債務交換協議がまとまるのを期待した買いが入ったという。ドル・ユーロ売りポジション解消が峠を越したのに過ぎない。6日最終期限にかかわらずこの始末。ぎりぎりまで隠す欧州の古い体質がうかがえる。9日発表された12月の機械受注統計7.1%減、1月の中国消費者物価指数4.5%増も響かずもみ合い。市場も時間稼ぎとみられる。3月まで問題先送り。尾鰭をつけて外資が引き回す見通し。1月のSQ値8470円(昨年12月8478円)から見て10日ロールオーバーよし。ほどなく震災から1年になるが、昨年下振れにひきかえ今年上振れが見込まれる、円ドル74~71円を目安に円安株高に転機。デフレとインフレの潮目に入った。昨年10月の円ドル75円32銭に対し中長期90、100円のベクトル。彼岸底を勘案しても2、3月転換。ギリシャが緊縮策に合意したところで問題解決にならないが、秩序ないデフォルトよりマシ。事実、ポジションが好転した。FRBのインフレターゲットによるもので、日本も事実上金融緩和に踏み切らざるを得ない。地合いは、東風を念頭に三寒四温。相性のいいものと撚りを戻すといい。そこで、欧州から恐慌が返ってくるという「ブーメラン」(マイケル・ルイス)の一節。02年から豊かな先進国の多くで偽ブームというべき状況が発生した。経済成長と見えたものが、そもそも返済能力のなさそうな人々が借金することによって成り立った現象。概算だが、世界中に広がる負債が公共・民間合わせ02年の84兆ドルが195兆ドルに倍以上膨らんだ。信用供与した大手銀が民間でなく政府機関のように扱われ、危機に陥ると必ず救済措置を受けている。データ収集に4ヵ月。アイルランドは1年当たり税収の25倍超、スペインとフランスも10倍以上。ギリシャ、アイルランド、日本など金利が少し上がっただけで予算が利払いに食われそうな事態。現在、われわれが最も多くの資金を破綻の側に賭けているのが日本とフランス。米国が先に崩壊しないことを願うばかり。住宅ローン仕組み債の空売りで成功したヘッジファンドが日本とフランスのCDSを買っている。日本がIMFの餌食になりたくなければ、いずれ彼らと死闘を演じる時がやってくる。

日経平均は13円安。前日3ヵ月ぶり9000円大台を回復し一服。9002円で引けた。出来高26億6800万株、売買代金1兆3300億円。8日持ち上げた■■■(****)が猛烈な売りをこなし78円の引け。来週も取組接近を手掛かりに人気化。復興にエールを送りたい。■■■(****)が後場中頃14万600円をつけ上昇第2波。国内外至るところで癌治療用ワクチンの治験が進み、2月6日のリリースが物語るように第Ⅱ・Ⅲ相、製造承認に近づいたものが少なくない。■■■■(****)が212円をつけ、戻り高値を抜いたのも注目に値する。■■■■■■■(****)も267円の高値引け。9日発表した3Q連結累計51%営業増益。通期慎重で従来通りだが、癌診断薬P53がよくさばけており大化け候補。モノになる時がくる。■■■■(****)は180円の引け。たった2000株だが、10日3Q発表を控え上振れのシグナル。今年出番なしに将来を語れず。地場レベルで震災に伴う液状化地盤改良に定評。今回は仙台空港の実績が手掛かり。10日一変しそうだ。(了凡)