証券ビュー

アンコール伊勢町

戻り鈍く調整先取り 外交に限られる日本のポジション (2019.06.07)

 小反落。日経平均小陽線の引け。戻りが鈍い。4~6月期日本企業も厳しい上、米利下げ観測に伴う円高が足かせ。買い戻しが一巡し見送られた。
■■■■■■■■■■■(****)と■■■■■■■(****)2銘柄で日経平均を98円押し上げ、東証一部の値上がり649(値下がり1400)に過ぎない。前日ダウ207ドル高を受けたもので、米民間「ADP雇用統計」によると、5月の非農業雇用者数前月比2万7000人増。2010年3月以来9年2ヵ月ぶり低水準。4月同27万5000人増(米雇用統計26万3000人増)の1割にとどまり長短金利が一段と低下。NY金8月物が一時1348ドル(1トロイオンス)をつけた。ADP統計のうち、米中対立の影響とみられる生産者部門同4万3000人減がこたえたという。発表後約90ドル下げた挙げ句、利下げ期待で持ち直した。時間外で米国とメキシコ間の移民・制裁関税と米雇用統計を巡りもみ合っている。日経平均を見ると、一目均衡表の転換線2万0793円が関門。5日移動平均線0594円を下回ると再び2番底模索。7~9月に持ち越した調整が繰り上がり不幸中の幸いだ。5日、上海証取が月末にも「科創板」(中国版ナスダック)を開設する旨明らかにしたほか、国内で下旬にかけIPOが増える見込みで幕間つなぎ。日本のポジションが外交に限られ、時が来るのを待つほかない。ニューズウィークによると、米中対立の経緯が英国と清朝の交渉に似ているという。1840年アヘン戦争まで清朝黒字・英国赤字が続き、南京条約(1842)後立場が逆転した。米中の場合、5月3日、習近平氏が妥結しかけていた150ページの協定文と法改正の約束を撤回。「責任を取る」といいながら13日から集団議決に切り替え反故。トランプ氏が癇癪を起こしたのが事実に近い。習氏が文革・毛沢東時代に逆戻りし、トランプ氏は改革・民主化一辺倒でベクトルが対極。妥協の余地がない。冷戦が長期化すると、浙江省で小工場が30%倒産した折りで中国側が耐えられない。資金がもっぱら国有企業に流れ、民間に回らないためだ。現に、大規模な失業の危機が迫っているという。旧聞だが、中国が米国に屈しない理由もわかる。延べ30年、日本と同様「護送船団」方式で経済力をつけ、米国に安全保障を頼っていない。有名な研究によると、中国の中間層(年収600~800万円)に「自由を求めるか今の儘でいいか」アンケートした結果、自由で貧乏より縛られても共産党政権でいいという回答が多い。既得権とみられ予断を許さない。日経平均先物によると、大証の引け2万0740円(+0.05%)に対し夜間取引0840円、シカゴ円建て0830円と比較的確り。ダウ先物2万5635ドル(+0.30%)、VIX恐怖指数16.10(-5.13%)、ビットコイン846,877円(+0.18%)揃って緩慢な動き。早々、来週明けを先取りしている。
 6日の日経平均2円安。大引け2万0774円。TOPIX1524(-5)。東証一部の出来高10億6800万株、売買代金1兆8400億円。10年債-0.125%(+0.005)。米10年債2.109%(-0.025)。上海総合が2827(-1.17%)で引けた。マザーズ指数の引け879.37(-1.58%)。月末にかけて高い。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)など。時が来るのを待つことだ。(了凡)