証券ビュー

アンコール伊勢町

パニック短命説も有力 タフでないともたないのが現実 (2018.10.16)

 週明け反落。日経平均中陰線の引け。寄り付き200日移動平均線2万2504円で頭打ちだ。米財務長官が為替報告書に基き日本向け円安進行を牽制した上、米国防長官去就説や首相が来年10月消費税10%表明など嫌気。前週末の自律反発が雲散霧消した。事実上、安値引け。3月と7、8月200日線を割り込み回復に時間がかかった由から。再び2万2000~3000円のもみ合い。JQ、マザーズも追随をやむなくされた。7~9月期決算発表、11月6日米中間選にかけて投げが出るか気になる場面。受け売りだが、前週末から週明けメディアが報道しない事実に出くわした。12日、トランプ氏が習近平氏に絶縁宣言したのに通じるもので、中国が米国債を大量に売り浴びせ前週末記録的な売れ残りが出た模様。30年ものが消化できなかったという。米国は借金を返すため借金を積み重ね、短期の借り換えを敬遠して長期に依存してきた。それが中国の入札見送りで困難になり金利上昇。国債消化に支障をきたす事態になった。11日、NY金先物1227ドル(34ドル高)、12日1222ドル(5ドル安)が傍証。15日後場、仮想通貨の急騰にも跳ね返り潮目が変わり始めた。米国の公的債務がリーマン前の2倍以上。名目GDP比100%を超えている直近から、トランプ氏の減税・財投等により加速。2019年再度減税により債務拡大に拍車がかかる見通し。米国債の供給増が見込まれるためで、10年債3.1%が4、5%になれば腰砕け。1月にグリーンスパン元FRB議長がブルームバーグTVのインタビューで債券と株のバブルを指摘。債券バブルが最終的に重大な問題になる旨述べている。確かにそうだ。しかし、市場が弱気に傾いたわけでない。米株安に伴うパニックが短命に終わる説も有力で、3月に200日線を割り込み5たび2万4000円挑戦でものにした経緯が手掛かり。中国が米国債入札を拒んだところで、にわかにデフォルト(債務不履行)やモラトリアム(支払猶予)に追い込まれると限らない。米中のほか欧州やロシアも非常事態が続いており、タフでないともたないのが現実。IoT革命を奇貨として半導体のスーパーサイクルが再燃し、米中貿易戦争や新興国通貨安、米金利上昇など吸収する仮説も根強い。先進国の中央銀行による債券バブルが事実としても、それだけで今年起きた株安を説明できないし、リーマンを生贄に米政府を乗っ取った本尊筋も納得しない。スパイ半導体報道然り。15日述べたように、米10年債上昇が限られる上、株の割高感が修正され再び買い直される見込み。前向きでないと何も解決しない。
 15日の日経平均423円安。大引け2万2271円。TOPIX1675(-27)。東証一部の出来高14億株、売買代金2兆5900億円。値上がり223(値下がり1852)。12月限が2万2190円(-2.03%)の引け。夜間取引150円、シカゴ円建て145円。ダウ先物も2万5202ドルと大甘だ。10年債0.140%(-0.005)。米10年債3.154%(-0.006)。上海総合が2568(-1.49%)で引けた。マザーズ指数の引け970.77(-1.73%)。可も不可もない。値上がり率ランキングによると、関係分で■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)など。米国は中国を旧ソ連崩壊(1991)の延長上に追い込んでいる。(了凡)