メディアの警鐘空回り これから半年2020年を先取り (2018.10.12)
全面安。日経平均中陰線の引け。窓を空けて下放れた。前日ダウ831ドル安を受けたもので、25日移動平均線2万3364円と75日線2722円を割り込み、200日線2508円と9月7日の安値2172円が下値の目安。12日オプションSQを迎え、同日トルコ政府が米国人牧師拘束を解くかどうか。新興国通貨安を左右するとみられ、来週明け整理が尾を引く公算もある。10日十字足に長い下ヒゲ、11日一時1047円安をつけフルイ落とし。「8~9月踏み10~11月投げ」が地相場になった。米10年債上昇によるもので、相場が荒れた1月の水準より高いのにダウ今年3番目の下げ。2月5日2万4345ドル(1175ドル安)、8日3860ドル(1032ドル安)に次ぐもの。当時より大台が上昇し、主要メディアの警鐘が空回りしている。10日トランプ氏の「FRBが間違いを起こし狂った」旨発言然り。IMFが下方修正した世界経済見通しも米中貿易戦争エスカレートによるもので、11日の上海総合2583(-5.22%)に跳ね返った。声にならない悲鳴が聞こえる。米中間選の途中経過によると、下院で民主党リードのうちに大接戦。露骨なトランプ氏叩きや前例のない中国介入が認められるという。10日ロイターによると、中国財務省高官が米国との通商協議を打開する見通しに「やゝ楽観的になった」らしい。ボールが向こう側にあり、様々なチャンネルで協議が続いているという。日経平均の先物を見ると、大証の引け2万2580円(-4.04%)に対し夜間取引640円、シカゴ円建て620円。ダウ先物も2万5303ドルと物足りない。VIX恐怖指数23.97(+50.28%)が動転している。踊り場にあるわけで、欧州やアジアも例外なし。米国の場合、FOMCメンバーの利上げ予想が2018年もう1回、19年3回、20年1回で打ち止め。成長率も減税と財投を加味した上で、18年3.1%、19年2.5%、20年2.0%と減速の見込み。その後財政赤字が拡大し、現在3%台の10年債が5%台になるのも時間の問題。景気停滞が長期にわたる見通し。そもそも、中国の入札が後退し米10年債上昇をもたらしたという。直近7月末のデータで中国の残高1兆1710億ドル(19%)、日本1兆355億ドル(17%)、アイルランド3002億ドル(5%)の順という。日本の残高が6月末より51ドル増加し、中国77億ドル減少とあって需給バランスが崩れ、金利上昇に歯止めがかからないという。11月までお試し期間。踏ん張りどころだ。今回、リーマンショック10年の裏をかく場面。10月1日、26年10ヵ月のシコリを解消し上放れたのと無縁でない。来年3月本格化。何も彼も引っ込みがつかなくなる。
11日の日経平均915円安。大引け2万2590円。TOPIX1701(-62)。東証一部の出来高19億5200万株、売買代金3兆7500億円。値上がり56(値下がり2050)。10年債0.140%(-0.010)。米10年債3.151%(-0.018)。マザーズ指数の引け952.90(-4.81%)。往って来いになった。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■■(****)のみ。来週予想される急反発が見ものだ。10日、ウォール街で「フィスカルドラッグ」(2020年に起きる財政効果の息切れ)が話題にのぼり印象に残った。19年に何が起きるか自明。20年の裏が出るとみられ、これから半年先取りが始まる。(了凡)