逆イールドまで僅か 1937年の再暴落に打つ手なし (2017.11.28)
週明け反落。日経平均一時127円安。引け持ち直した。前週末の米株高、円高一服を受けて堅調に始まったが、中国株安と半導体関連下落が響き腰砕け。手掛かり難から膠着状態になった。日経平均が安値もみ合いの一方、JQ平均とマザーズ指数が7連騰。戻りを試す場面に変わりない。28日次期FRB議長公聴会から30日の国内鉱工業生産・中国製造業PMIまで新たな手掛かり。11月最終週の日経平均16勝1敗と述べた。このほか、米税制改革を巡る上院年内会期27日~12月15日、暫定予算と債務上限引き上げ期限12月8日を避けて通れない。米国は年末商戦、企業収益も好調で雇用改善、低インフレなどゴルディロックス相場(適温)といわれるが、NY連銀が前週発表した調査結果によると、7~9月期家計債務が1160億ドル増加し、過去最高の12兆9600億ドルに達した。ピークが08年7~9月期だけに10年周期で間が悪い。当局が経済成長をGDPの7割占める家計消費に頼り、家計が借金増で景気回復を支えているわけで、債券市場が過去10年で最もフラットな利回り曲線をたどり、間もなく息切れといわれる。逆イールド(長期金利が短期金利を下回る逆転現象)まであと僅か。昔から景気後退の前兆と伝えられ、無気味なほど当たるという。米国の長短金利差が11月に20べーシスポイント縮小。このペースなら来年1月逆イールド化。FRBは薄氷の上でスケートしていたことになるらしい。11月9日の日経平均転換点から10週目が1月中旬で興味深い。12月4日満月売り、同18日新月買いに対し、来年1月17日新月買い、31日満月売りも検証の余地がある。受け売りだが、日本の場合も過大な政府債務が足かせ。今後景気が好転すれば物価と金利上昇に跳ね返るためだ。金利が1%上昇すると、利子だけで歳出の10%、防衛費(2018年度概算要求5兆2551億円)の2倍吹っ飛ぶといわれ、財政が持たなくなる。出来の悪い指導者にかかると、例外なくひどい反動に見舞われる。さらに、北朝鮮情勢を巡り米国務長官退任説も根強い。現職の国連大使やCIA長官が下馬評にのぼり、来年1月交代の見通し。1929年10月29日、大恐慌を告げる米国株の暴落があり、半年か1年で元のサヤに収まったが1937年の再暴落に打つ手なし。前日、リーマンショックから10年を数え、当時と似た場面になると述べた。
27日の日経平均54円安。大引け2万2495円。TOPIX1776(-3)。東証一部の出来高13億7200万株、売買代金2兆4300億円。値上がり945(値下がり999)。12月限が2万2500円(-0.35%)の引け。夜間取引で560円をつけている。10年債利回り0.035%(+0.010%)。上海総合が3322(-0.94%)で引けた。マザーズ指数の引け1173.07(+0.89%)。窓を空けて上放れた。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)など。国内117兆円といわれる企業の内部留保が動き出した。IoT革命によるもので悲観するに及ばない。(了凡)