裏をかかれヨイショ 本尊の落とし穴にはまるな (2011.11.30)
高寄り後もみ合い。後場底上げになった。前日の欧米株高に呼応するもので、29日ユーロ圏財務相会議の問題解決を理想買い。反動が予想されるところ。クールな印象である。29日述べた欧米の不良債権1200兆円。当たらずとも遠からず。欧州債、米国債入札も裏金、見せ金の世界。これに対し日本の資金繰りは、28日の日銀総裁と中部財界の懇談会のやりとりからもずっと健全。はるかにマシだ。同総裁は、1995年以降で見ると、日本の通貨供給の増加は欧米を上回ると述べる一方、通貨供給と為替相場はあまり関係ないとも強調した。ちなみに、日本の不良債権はバブル崩壊当時200兆円規模。92年以降、地価の値下がり1000兆円ともいわれる。ところが、預貯金800兆円に対し定期金利3%を預金者から取り上げゼロ金利10年以上。おかげで金融機関は毎年24兆円の超過利潤が10年以上続き、バブル崩壊で失った200兆円以上のリターンを掌中にした。いい悪いは別として、日本は10年以上かけ不良債権を吸収した。ところが、リーマンショックから株価下落、20%以上円高ドル安となり再び金融危機。2012年3月期、ユーロとドル債で30ないし40兆円の含み損計上も考えられるという。それでも欧米と比較にならないほど内容がいい。ギリシャは事実上2010年5月からデフォルトしており、すでにPIIGS債300兆円のうち半分アウト。28日述べたように、欧州主要銀90行の自己資本が100兆円といわれ、IMFの支援を勘案しても来年1月の満期償還困難。このため、11月トリプル安を覚悟したが、欧米ともに時間稼ぎ。日本も金融危機で混乱した97年当時と似たような経過。日経平均が29日引けにかけて跳ね上がり、アジアもろともヨイショの上げ。板が薄いだけに一方通行になっている。
日経平均は、結局190円高。8477円の高値引け。下値模索のはずが裏をかかれた。出来高15億6900万株、売買代金9400億円。上がるに越したことはないが、外資のプログラムに沿った展開。むしろ、東電のリストラを受け51万3000円で引けた■■■■(****)を打診買い。アイフォンでソフトバンク追撃が手がかり。儘ならぬ地合いだ。以下、■■■■(****)6940円、■■■(****)399円、■■■■■(****)1万2590円。■■■(****)2529円、■■■(****)2395円。■■■■(****)1032円、■■■■(****)518円。そして、■■■■(****)255円、■■■(****)12万2500円しかり。欧州債務問題や米国のクリスマスセール、円安など悲観人気の修正場面。いずれも決め手を欠くだけに逆張りで対応するほかない。来年2月にかけて買い場探し。1~3月ないし4~6月急反発の構図に変わりない。本尊の落とし穴にはまるな。欧米の金融当局は、08年9月以降、投資子会社との連結決算と保有資産の時価評価棚上げ。損の公表をこばんだ。銀行取りつけ、ファンド解約を避けるためで、金融機関の四半期収益はデリバティブであがった利益だけ計上し、損失はタックスヘイブンに飛ばしている模様。しかし、いずれ決済を迫られるのは確実。ファイナルクラッシュも紹介している。2012年12月22日、フォトンベルト入りから本尊筋との闘いが本格化する。1%vs99%といわれるもの。われわれは、来年日本企業の復活を支援する。実現すると日経平均も化ける。(了凡)