尾を引く半端な引け味 油断すると日本もデフォルト (2011.11.24)
思ったほど下げず拍子抜け。黒衣が売り物を拾ったようだ。円ドルも76円台後半から77円前半に反落。21日物別れに終わった米議会超党派協議、同日3.6%に跳ねたフランス10年債利回りを受けたもの。前者は23日成立期限、後者も格下げを巡り波乱要因。24日が米感謝祭で休場だけに半端な場味。21日NYダウ一時340ドル安、金先物57ドル安が尾を引くとみられる。22日述べたように、ヘッジファンドの欧州叩き終盤。イタリア、スペイン国債売りとフランス、ドイツの銀行株売りでひと区切り。欧州は彼らにとって二の丸、三の丸に過ぎず日本が本丸という。CDSを購入し保証料を吊り上げ、国債先物を売り崩す日本売り。大儲けのチャンスといわれる。ちなみに、2011年度の一般会計と特別会計を合わせた日本の総歳出220兆円。民間企業の連結会計に相当するもので、年金・医療・介護など社会保障費75兆円と国債費82兆円で71%を占め事実上破綻状態。国民の金融資産1476兆円(2011年3月末)が自動的に担保に取られ、国家財政が破綻したら債務と相殺される見込み。単純計算では国の債務924兆円に対し、個人金融資産から同負債336兆円を引いた純資産1110兆円まで186兆円の余力。海外純資産は251兆円にとどまり、地方債務201兆円を吸収する程度。今後も毎年40兆円国債を発行すると5年足らず。震災や原発補償を加味すると、2013年にデフォルトも考えられるという。ばかな試算だが、生きた数字もあるだけに油断するとやられる。政府は2020年までにプライマリーバランス黒字化を表明したが、ヘッジファンドの多くが現状では困難と判断しデフォルト不可避。資料の中に日本破綻のシミュレーションをしているところもあるという。22日述べたように、欧州問題がひと区切りついた時に出てくるテーマ。政治と行政が使い物にならないため、むしろ彼らの日本売りが後日構造改革や財政再建のきっかけになるかもしれない。ともあれ、IMFの2011年8月末当時の融資枠わずかに4000億ドル。約30兆円にとどまり、欧州金融安定基金45兆円と組んでもイタリア、スペインの破綻に耐えられない。まさに、国破れて企業ありやなしや。厄介な調整につかまっている。
日経平均は33円安。連日安値を更新し8314円の引け。円高一服、アジア株も思ったより底堅い。出来高15億1000万株、売買代金9100億円。半端な引け味で始末が悪い。出来の悪い■■■■■(****)と■■■■(****)が暴れ馬。問答無用の果し合いだ。■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)に■■■(****)、■■■(****)。さらに■■■■(****)、■■■■(****)も小動き。売ってくると買い戻しが入る。今の日本は企業部門でもっているだけに、来年震災とタイ洪水の復興特需がついて回る。しつこい調整だが、来年2月まで受け入れる構え。そういえば、韓国のサムスン電子。法人税率24%で圧倒的なウォン安が支援材料。日本のように税率40%、記録的な円高ではまともな競争になっていない。消費税引き上げが2段階10%に固まりそうだが、法人税20%台引き下げも喫緊の課題。企業が国際競争力をつけ、国内の雇用拡大につながらないと、日本は世界の流れに取り残される。EU加盟27ヵ国の法人税率平均23.2%。同付加価値税率20.7%。日本は20年以上前の成功体験から抜け切れていない。(了凡)