常識が通じない前哨戦 期待先行で買われギャップ埋める (2016.12.06)
週明け続落。日経平均一時199円安。後場一段安になった。前週末の手仕舞いを受けたもので、米雇用統計をはじめイタリア国民投票、オーストリア大統領選やり直しを消化。引け味も悪くない。
英国EU離脱、米国トランプ政権誕生の延長上。ユーロが1年9ヵ月振り安値をつけ、一時1ドル112円台の円高。引け113円台、夜間取引で114円台に持ち直した。来年3月オランダ議会選、4~5月フランス大統領選、秋にドイツ議会選があり一巡。トランプ現象拡大と既得権努力の抵抗が尾を引きそうだ。先駆した金融、エネルギー、輸出関連のほか欧州関連にも売り物。9日にメジャーSQを控え先物の仕掛け売りも伝えられる。米国の10年債利回りによると、12月1日2.45%まで上昇し下げ渋り。昨年6月10日2.50%まであり関門になった。前週イタリア10年債2.05%に対しドイツ0.36%と2年10ヵ月振りスプレッド(金利差)高水準。相場が一変した11月9日から1ヵ月足らず。日柄整理に入った。最初に起きたのが2012年10月といわれるグレート・ローテーション。債券から株に大転換といわれながら綱引き。トランプ現象拡大と既得権勢力の抵抗に似ている。これまでの常識が通じないためで、来年1月20日米大統領就任式まで前哨戦。助走ともいわれ、3月英国がEUから手を引く前にイタリアがドミノ倒し。同15日に米国の債務上限問題が再燃するため、トランプ政権の減税、規制緩和、インフラ投資など100日ハネムーンに「とっておき」の材料。市場が相当織り込んだのも事実で、予算執行が来年10月以降とあって間をもてなくなる。期待とエネルギーで大転換が起きても、実体の裏づけがないと資金が回らない。5日述べたFOMCとプーチン来日も期待先行で買われ、現実とのギャップを埋める場面。前週末、週明けによく似た地合いと考えられる。OPEC減産合意が米国シェール増産に跳ねかえるようなもの。既得権勢力の抵抗も半端じゃない。ビルダーバーグの250年が典型で、来年からダボス会議も軌道修正。米中は国益が合致すると水面下で手を結ぶといわれ、日本も真剣に対応しないと取り残される。受け売りだが、中国は過去40年で400万人の留学生を世界に送り込み、ハーバード大で日本人の50倍の学生を数え、卒業生が米国の中枢に入って米中のパイプをつないでいる。
5日の日経平均151円安。大引け1万8274円。TOPIX1466(-11)。東証一部の出来高20億6800万株、売買代金2兆2900億円。12月限が1万8260円(-0.38%)の引け。10年債利回り0.035%変わらず。上海総合が3204(-1.21%)で引けた。マザーズ指数の引け902.76(-0.47%)。小動きにとどまった。値上がり率ランキングによると、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■■■■(****)、■■■■■■■、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)など関係分。■■■■■(****)がダークホースで■■■■(****)が全体の目安に変わりない。5日、■■■■■(****)が1対2の株式分割を発表。若干でもつき合うと面白い。センサがIoTの鍵を握っている。(了凡)