欧州債務危機終盤入り ヘッジファンドの術中にはまる (2011.11.21)
切れた地合い。18日から全面安の雰囲気が漂ってきた。欧州債務危機が焦点。2月にかけて米中や日本を巻き込み終盤とみられる。ヘッジファンドのプログラムといわれ、英語のPIGS(豚)をもじったPIIGSをデフォルトに追い込むもの。既にギリシャ、アイルランド、ポルトガルが彼らの術中にはまり、現在EUでGDP3位のイタリアと4位スペインが標的。ともに10年債利回りが7%前後になりパニック寸前。行き詰まると、最低200~250兆円必要という。ECBがいくら格下げされた国債を引き取っても、民間から公的部門にリスクが移るだけ。域内全体のリスクは変わらず、むしろECBの含み損が膨らむしくみ。欧州金融安定基金は45兆円程度の規模で、実際に25兆円前後が融資限度。どうにもならないわけだ。ECBが市場を甘く見ているためで、09年10月ギリシャの破綻が発覚して以来ヘッジファンドのペース。序盤ギリシャ、中盤アイルランドとポルトガル、終盤イタリアとスペインのようだ。これからイタリアとスペインの国債、フランスとドイツの銀行株に的を絞って売り崩す模様。事実、半ば成功している。ちなみにイタリアの国債発行残高は世界3位で、ECBの国債買い入れも限度がある。かりにイタリアとスペインが破綻すれば、フランスとドイツの大手銀もアウト。リーマンショックをしのぐガラになるという。作戦はここまでのようだ。というのも、ドイツが決め手。域内の赤字は大半ドイツの黒字に相当するためで、赤字国に対し財政支援するスキームをつくればいい。これまでの稼ぎをはき出すわけだ。18日述べたように、欧米債務危機がドイツの本丸に迫る時に相当する。ドイツはしたたか。期限切れになってもやり返す。このため、切れた市場が世界レベルで息を吹き返す。転機を来年2月と考えているわけだ。財政危機は、国民が税収以上の生活をし、それが既得権化して起きる人災という。
日経平均は104円安。安値圏で小動きとなり後場の値幅20円止まり。8374円で引けた。9月26日の年初来安値と同水準。偶然と考えにくい。出来高14億5000万株、売買代金9300億円。深みにはまりそうな引け味である。欧米債務危機のほか円高、タイ洪水も尾を引き、決算を発表したばかりの企業も再び下振れ懸念。お先真っ暗という。それだけに、過去を追うな。未来を願うな。今日なすべきことを熱心になせ。東証は21日から前場の取引を9時から11時30分まで延長。先物・オプションのイブニング・セッションを16時30分から23時30分(従来19時まで)に変更するが、5月実施から半年延びたとはいえ現場知らず。日経の18日付大機小機の方がホロリとくる。現在何ひとつ買い材料がないというが、天井をつける時と対極の現象。来年1~3月ないし4~6月、現在と逆の展開が予想される。■■■(****)が下値の目安2440円に届き強気になった。債務危機はドイツと米国が水際で吸収。中国もトップ交代を控えバブル崩壊先送り。タイ洪水処理が終わると、あちらでも復興需要が本格化する。■■■■■(****)をはじめ■■■■(****)、■■■(****)など資本財メーカーが出番待ち。■■■■(****)や■■■(****)にも声がかかる。欧州債務危機終盤入り。■■■■(****)の200円割れから捨て身だ。(了凡)