23日吟味するところ 日銀を信用できない現状が異常 (2016.09.23)
じり安で始まり日銀待ち。13時過ぎ反発し急落。引け全面高になった。時差の関係でFOMCより先行した「総括的な検証」によるもの。マイナス金利0.1%据え置きのほか、長期金利ゼロを目安に量から金利シフトに切り替えた緩和継続を好感している。祭日明け、FRBの声明が反映され消化吸収される運び。マイナス金利の副作用に配慮しながら、物価2%を早期実現する旨当初のまま。強気にみえるものの、焦りの方が気になる。マイナス金利拡大、緩和見送りが円高株安につながるためだ。大暴落及ばず1割安、1割安及ばず大暴落と述べ、さらに、部分待機に及んだのも日銀が市場を警戒しているため。市場は、物価2%が米国の統計に基づくもので日本の実体と合わない上、今後潜在成長率も一線を画した展開が予想され、何ら根拠のないことを知っている。下がり過ぎた長期金利が反発しても、貸し出し金利が連動せず機能不全。実体経済に資金が回らないのだ。やり過ぎた異次元緩和をただし軌道修正するのが筋。ところが、今後マイナス金利強化をはじめ、長期金利操作目標引き下げ、資産買い入れ拡大、資金供給量拡大ペース加速など長期戦の様相。どこかで行き詰まる。長期金利急騰が前触れとみられ、11月の米大統領選にかけて足かせになりそうだ。日銀総裁自ら金融政策に限界なし、緩和縮小ならずと述べること自体、正当化にほかならない。10、11月反動が見込まれ、投げを誘うプログラムが予想される。京大の翁教授が面白い。いわく、人口減少や高齢化が問題の根本で国民の将来に不安がぬぐえないこと。金融政策では対応できない。雇用改善も緩和効果より生産年齢人口減少の影響が大きい。日銀を信用できない現状が異常という。その通りだ。21日、TOPIXの上昇率2.71%。日経平均の1.91%を上回った。銀行6.97%、保険5.49%が群を抜き東証一部33全業種そろって高い。輸出関連にも買い戻しが入った。日銀がETFの年間買い入れのうち、2.7兆円をTOPIX連動型にすると表明。マイナス金利据え置きを手掛かりにメガバンクが値を飛ばした。それにしても、日銀が長期金利をゼロに誘導。イールドカーブ(利回り曲線)の操作も十分できるという。行き過ぎると市場機能を損なう。ETFの弊害が伝えられるだけに、21日ひとまず胸を撫でおろした。しかし、16日ドイツ銀行の株価が急落し、昨年5月ドイツ国債下落が口火という情報もある。23日吟味するところだ。
21日の日経平均315円高。大引け1万6807円。TOPIX1352(+35)。東証一部の出来高25億8900万株、売買代金2兆7100億円に上振れ。12月限が1万6730円(+2.51%)の引け。10年債利回り-0.035%(+0.025%)。上海総合が3025(+0.10%)で引けた。マザーズ指数の引け918.51(+1.48%)。捨てたものじゃない。値上がり率ランキングによると、■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)など関係分。■■■■■■■(****)が584円引け。核酸医薬を腸まで送り込む特許を取得。より高い薬理効果が見込まれるという。(了凡)