9月の戻りを活かす 21日の検証待たず市場が理想買い (2016.08.31)
売り一巡後下げ渋り。日経平均の日中値幅74円と今年最低。後場見送られた。円安一服、前日上げた反動が主因。9月2日の米雇用統計発表待ち。5日に日銀総裁、8日副総裁の講演があり、21日「総括的な検証」を待たず理想買いが予想される。8月26日FRB議長、副議長により「利上げ条件整う」旨が伝えられドル高に振れた矢先、日銀がこれまでの量的質的緩和とマイナス金利導入を撤回し根本的な見直しを発表すると考えにくい。むしろ、現状維持を正当化。さらに拡大しインフレを煽るとみられる。そうしないとデフレに逆戻り。円高に拍車がかかるためだ。気に入らないのが、しばしば出てくる「原油価格の一時的な下落」がインフレ期待に水を差すという認識。いわずと知れた構造調整でAIやロボット、IoTと並ぶデフレ要因。すっかり定着した。8月20日現在、日銀の総資産が447兆円にのぼり、同17日現在446兆円のFRBを上回ったことからも行き過ぎだ。国債とETFを爆買い、マイナス金利深掘りも峠と受け止めている。今回FRBの利上げ容認発言に乗じ、日銀が緩和拡大で追随すると円一段安。本番前に市場が解を出すと述べた。29日の日経平均326円高から10日目に当たる9月9日のSQが変化日。恐らくドル高の限界がわかる。前日述べたように、1万7000円前後三つ上値の目安があり戻り売り。10~12月反動がつきものだ。11月に米大統領選を控えているためで、FRBの利上げもあって12月。なくても可。利下げに追い込まれたら万事休すだ。30日発表された総務省の家計調査によると、全世帯(2人以上)の7月消費支出27万8067円(前年比0.5%減)で5ヵ月連続マイナス。ゼロ金利政策により20兆円の預金者利息が犠牲になり、当局が詫び一つ入れないのも心証が悪い。増税と景気対策を一緒くたにブレーキとアクセルを同時に踏んでいる。万一、9月21日に日銀が緩和拡大を表明し、この上国債とETFを買い上げ、マイナス金利に深入りするとヘリマネ同然。欧米金融資本にやられたといえなくもない。よって一線を画し、9月の戻りを活かすことだ。受け売りだが、米国では株式市場の論理と違うマネーが流入し、なかなか本格的な調整が起きない。債券市場の利回り低下に飽き足りないニーズによるものという。日本でも株の高利回りを好感する場面が予想される。リオ五輪を見て日本の若いエネルギーを見直した。彼らにとって4年後が本番。メダルラッシュが見込まれ、日本復活のきっかけになるはずだ。これから4年無事でいること。若者を後押しできれば幸いだ。
30日の日経平均12円安。大引け1万6725円。TOPIX1312変わらず。東証一部の出来高15億4900万株、売買代金1兆6700億円。閑散に売りなしだ。9月限が1万6740円(+0.05%)の引け。10年債利回り-0.075%(-0.005%)。上海総合が3074(+0.15%)で引けた。マザーズ指数の引け899.56(+0.30%)。値上がり率ランキングによると、関係分で■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■(****)程度。週末、来週明け否応なく動き出す。現在、欧米もリーマンショックから8年。日本のバブル崩壊と同様、長銀や山一が破綻に追い込まれている事態。今秋じっとしていられない。(了凡)