週明け初動が興味深い 国内で舵を切っても一時しのぎ (2016.08.22)
前週末まちまち。日経平均反発。鯨幕相場が続いた。手詰まりによるもので、欧米やアジアも小動き。リオ五輪明けと交錯している。18日午後、1ドル100円割れを巡り財務省、金融庁、日銀が臨時会合。円高を牽制するためで、投機的な動きがあれば必要な対応をとるというが、今回8度目にかかわらず具体策なし。市場の反応も限られた。主因が円よりドルにあることや、他の通貨も再利上げの憶測に連動しており、国内で舵を切っても一時しのぎ。19日述べた日銀OBの発言と同根だ。2月16日、ネガティブ金利導入からマーケットの方が上。政府・日銀が市場の同意を得られなくなった。6月23日、英国のEU離脱から世界レベル。三者会合による円高対策など使いものにならない。17日のFOMC議事録をよしとしても、26日FRB議長講演、9月4~5日G20(中国・杭州)。さらに、10月イタリアの国民投票を前に無力。同投票が第2次大戦以降任期を全うした政権がないため行われるもので、否決されるとレンツィ首相辞任。英国に続きイタリアもEU離脱が伝えられる。同国の金融危機が足かせ。最大手銀「ウニクレディト」が100億ユーロ資本不足、総資産3位の「モンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナ」も死に体。株価0.4ユーロでさらしものだ。結局、これまで黒字を貯め込んだドイツにツケ回し。EUのお先真っ暗という。そのせいか、再び空売り比率が40%台で高止まり。極端な薄商いに陥っている。しかし、2月からマイナス金利になり、国債のほか預貯金も逆回転。タンス預金さえ置き場に困る事態。国や金融機関が信用できないなら、東証一部上場の■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)など稼ぐ会社の方がよほどかマシ。19日買われたのも、PBR1倍割れの■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■(****)などバリューものが大半だった。以前述べたアルゼンチンのハイパーインフレ(1988年・年率5000%)で、お国の屋台骨を支える主力企業が生き残り、その後復興をリードした経緯からも中長期日本株のポジションよし。目くらまし明け、波乱や混乱を通して新たなステップを踏むところだ。この上、10月イタリア国民投票、11月米国大統領選、12月FOMCをこなし越年。来年5月フランス大統領選、同9月ドイツ総選挙までいくと一皮二皮むける。週明け初動が興味深い。
19日の日経平均59円高。大引け1万6545円。TOPIX1295(+4)。東証一部の出来高17億5200万株、売買代金2兆円。9月限が1万6520円(+0.12%)の引け。10年債利回り-0.090%(-0.005%)。上海総合が3108(+0.13%)で引けた。マザーズ指数の引け913.47(+0.43%)。初ものに心配無用だ。値上がり率ランキングによると、■■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■(****)など。待機需要を加味して一度値洗いする場面。9月21日の日銀総括まで疑心暗鬼だが、以上述べたように10月以降来年にかけて大荒れ。それだけに、ピンチがチャンスともいえる。円高が株高につながれば申し分ない。申酉(さるとり)騒ぐ時がやってくる。(了凡)