8、9月間違えるな 気になったアベノミクス失敗説 (2016.08.05)
買い戻し一巡後反落。日経平均一時162円安。後場円安に振れ買い直された。前日、原油先物反発を受けたNYダウ41ドル高がきっかけ。4日英中銀の金融緩和を見越したもので、銀行、証券、保険がリード。日銀ETF買いの思惑も手掛かりになった。しかし、5日米雇用統計発表(7月)を控え日経平均小陽線。前日空けたマド(1万6275円から1万6391円)埋めならずヒゲが長い。このため、週明けに反転を持ち越す見込み。4日■■■(****)が今期連結44%営業減益を発表したほか、7日FOMC議事録公表も楽観できず。危機封印といわれながら、9月21日まで日銀の「総括的な検証」を巡りボックス圏に変わりない。何より、これまで好調といわれた米国の新車販売が頭打ちになった。過去5年組成された自動車のサブプライムローンで60日以上の滞納率が5.16%に達し20年振り高水準という。メキシコで急増した自動車生産が1~6月期累計7年振りマイナスになったのに符合するもの。日本だけ8~9月インフレのエンジンを吹かしても一時しのぎ。2日発表された「アベノミクス第2弾」の今後に気をもむ向きが少なくない。欧米や日本で行き過ぎた金融緩和が終盤を迎え、原油や鉄鉱石、農産物など供給圧力が尾を引いているためだ。グローバリズム、TPPが経済の広域化を促しデフレを推進。しばしば述べるAI、ロボット、IoTなどデフレのツール。日本の場合、人口減と団塊の世代リタイアが拍車をかける。外部要因や構造変化にかかわらず、GDP600兆円や希望出生率1.8、介護離職ゼロなど第2弾で「未来への投資」を打ち出した。2日財務相と日銀総裁の会談、3日財務省・金融庁・日銀の会合でもデフレ脱却に向け政策協調一点張り。米財務省やFRBに洗脳された。米国は戦後の成功体験がケタ外れに大きく、ステイグリッツ教授(73)、クルーグマン教授(63)、バーナンキ前FRB議長(62)など日本に送り込んで凱旋気分。世界一頼りにしている。しかし、熊本地震を抱え消費増税先送り、財政出動に踏み切っても、バブル崩壊から25年デフレから脱却できていない。市場は昨年8月チャイナショックを契機に円高株安を受け入れ、政府や日銀の関与にかぶりを振った。インフレでなくデフレに適応せよ。増税でなく減税。金融や財政でなく自ら構造改革を急げというメッセージ。4日、「アベノミクスは失敗」と指摘する声が気になった。8、9月市場に本音を訊きたいものだ。
4日の日経平均171円高。大引け1万6254円。TOPIX1282(+11)。東証一部の出来高22億7500万株、売買代金2兆4600億円。9月限が1万6190円(+1.00%)の引け。10年債利回り-0.080%(+0.010%)。上海総合が2982(+0.13%)で引けた。マザーズ指数の引け922.74(-0.28%)。待つほかない。値上がり率ランキングによると、■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)など関係分。2Q 好決算を発表した■■■■■(****)が123円引け。神戸工場再構築も手掛かりで来週見もの。黙っていられない。■■■(****)の引けよし。手が入っている。日本は、戦後危機をモノにして成功した。8、9月間違えるな。(了凡)