かさ上げされたGDP TOPIXが市場の思い込み代弁 (2016.05.19)
高安まちまち。日経平均143円高、139円安の往来。もち合い圏にとどまった。寄り前、米国株安を受けて発表された1~3月期GDPの受け止め方が主因。物価変動を除き実質前期比0.4%増。年率換算1.7%増(15年10~12月期1.7%減)と2四半期振り上振れ。うるう年効果で年率1.2%かさ上げされた。差し引き0.5%増。同時に発表された2015年度実質GDP0.8%増を下回った。このため、メガバンクや石油、海運に買い戻しが入る一方、後場スズキ(7269)の燃費データ不正が伝えられ、マザーズ指数が急落するなど悩ましい。TOPIXが3日連続プラスで市場の思い込みを代弁している。年初来円高株安に引っ張られながら、3~4月連続陽線を引き5月26~27日サミットにかけて議長国日本に政策期待が高まっている。国債をマイナス金利で発行できる上、日銀がたちまち買い取ってくれるためだ。真水10兆円なら相当なインパクト。やるなら大きいほどいいといわれる半面、大規模な財政資金投入に見合う有効需要が見当たらない。実質GDPが0.5%増程度で消費再増税もおぼつかない。ひところ3年で3倍といわれた公共投資の乗数効果が今では1倍そこそこ。無理に奮発すると無駄なインフラが増え借金が残るだけという声もある。規模次第で短期的な効果が大きいとしても、中長期持続的な成長にくみすると考えにくい。シリア難民受け入れ、VW排ガス不正事件、中国リスクなどドイツが財政出動どころでないのもわかる。しかし、何もなしで済まない。6月2日OPEC総会、同14~15日FOMC(日本時間16日午前3時声明発表)、同15~16日の日銀政策決定会合。さらに、同23日英国の国民投票などイベント続き。4月28日「現状維持」を表明した日銀総裁のようなわけにいかない。17日述べたように、4月のパナマ文書公開から規格外の相場。仮説にしても、ドル防衛と株高を通じて米国覇権の延命を狙う踊り場とみられる。IEA(国際エネルギー機関)やゴールドマンが原油底入れにしゃかりき。英国で国民投票を先取りしてポンドが7年振り安値に落ち込んだ。前ロンドン市長がEU離脱を主張。欧州統合が悲劇的結末になるという。米国ではトランプ当選でドル20%下落が伝えられる。5~6月利食い見切り千人力と述べた。7~9月、10~12月■■■■■■(****)が先行指標になりそうだ。18日、マザーズ指数が1050.68(-7.84%)に急落。先駆した■■■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■■■■(****)など軒並み安い。値幅整理一巡後が見ものだ。■■■(****)、■■■■■■(****)も出直る見通し。7月19日のマザーズ指数先物上場が有力な手掛かりだ。
18日の日経平均8円安。大引け1万6644円。TOPIX1338(+2)。東証一部の出来高23億4100万株、売買代金2兆3300億円。6月限が1万6590円(-0.65%)の引け。10年債利回り-0.105%(+0.010%)。上海総合が2807(-1.27%)で引けた。値上がり率ランキングによると、■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)など関係分。■■■■■■■(****)が16日から反転。■■■■■(****)、■■■■(****)強気。■■■(****)然り。米国では5月最終月曜日(30日)が夏の始まりという。 (了凡)