さらに利上げ見送りも 3日から16日まで新たな備え必要 (2015.12.03)
シカゴ先物安を受けて反落。下げ渋り小戻した。前日NYダウ168ドル高の内幕が面白い。感謝祭の11月26日から4連休に米国の店舗売上高前年比4.7%減。客足も5.1%減。しかし、ネットを含む全体で同12%増。全米小売協会の調べで客足も13%増。オンライン売上高が史上最高という。このため、ウォルマート0.3%高に対しアマゾン2%高。明暗を分けた。一方、11月24日発表された7〜9月期実質GDP改定値年率2.1%増(速報値1.5%)。上方修正している。ところが、国民所得統計ベースで米企業の経常利益4〜6月期比4.3%減、前年比4.7%減。雇用や失業率は景気の遅行指標。企業利益や米ドルなど先行指標と企業負債問題を勘案すると今後の景気に注意が必要という。受け売りだが、アベノミクス以来4度目の師走相場。日経平均が過去3回すべて12月に高値をつけているのも気掛かり。FRB議長は原油安でエネルギーコストが下がり、いずれ景気が回復し物価も徐々に上昇する旨述べているが、OPECや非OPECも増産しテロの再発が懸念される情勢。この上、原油が一段安になると世界中デフレ蔓延。にもかかわらず、利上げに踏み切ると自殺行為だ。仮に米国の景気が悪化すると打つ手がない。6年延べ480兆円といわれるQEバブルの出口が今回の利上げ。これ以上QEができないため財投だが、上下院多数の共和党が反対しオバマ大統領レームダック。ここまでくると、ドル安強行による通貨調整しか残っていないという。これが3日ECB理事会・FRB議長講演、4日OPEC総会・米雇用統計発表、15〜16FOMCにかけて出尽くした米利上げのあらまし。イェール大の浜田教授(79)が首相に知恵をつけたといわれる日銀の異次元緩和も、ノーベル賞クルーグマン教授(62)によるもの。その彼が10月20日と11月2日NYタイムズに寄稿し、現在も物価2%・躊躇なく緩和を唱える日銀の金融政策が失敗だったことを認めた。1998年をピークに毎年1%弱減少している日本の生産年齢人口が潜在成長率低迷の決め手。気づかなかったという。中国でも2012年から顕在化。1人っ子政策の反動もあり中長期GDPが落ち込む見通し。つまり、量的緩和でノーベル賞をもらったクルーグマンがお手上げ。こうなるとFRBやECB、果ては日銀まではまり、間違った政策に巻き込まれた。3日から16日まで市場の反応を見ながら新たな備えが必要になる。どんな政策、学説、経験則も通用しないヘアピンカーブ。左右にハンドルを切っているだけで、誰もどこに向かっているかわからない。次第に手仕舞い売りが買い戻しを上回りそうだ。原油安が株安に及ぶと利上げどころでない。さらに見送りも考えられる。
2日の日経平均74円安。大引け1万9938円。TOPIX1602変わらず。東証一部の出来高18億9800万株、売買代金2兆3000億円。12月限が50円安で寄り70円安の1万9950円引け。10年債利回り0.320%変わらず。上海総合が3536(+2.33%)で引けた。値上がり率ランキングによると、■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■■(****)など関係分。■■■(****)はS高から数え3日が急所。値もちがいいため持続。材料含みで来年も追い風だ。■■■■■(****)は8日が急所。9月30日下方修正したが採用拡大。3Dプリンター普及に備えた。■■■(****)よし。IoTの要とみられる。(了凡)