ブルがベアに競り負け マリオットと金先物反落に学ぶ (2015.11.18)
買い戻しをきっかけに急反発。高値もみ合いのあと伸び悩んだ。NY主要3指数と金・原油先物の切り返しが主因。パリの同時多発テロに条件反射した金先物が17日反落。為替も1ドル123円台の円安に振れ緊張がほぐれた。
日経平均を見ると、前日一時344円安に対し17日同332円高。綱引きに違いないが、ブルがベアに競り負けている。16日、米国のホテル大手マリオットが同業スターウッド買収を発表。総額1兆5000億円といわれ、世界で5500(110万室)の最大手ホテルチェーンが誕生する見通し。これが前日NYダウ237ドル高の材料とすれば、マリオットに対抗するホテルがなくなるだけに頭打ち。20世紀をリードした米国の時代が間もなく終わる。16日マリオットの上昇が1.3%にとどまり、S&P500種の1.5%に届かなったのが状況証拠。かくも厳しい場面にある。前日触れたJXホールディングスと東燃ゼネラル統合に似ている。国内シェア5割でダントツになっても双方赤字。これ以上ないところまで追い込まれた。事実上、今の相場を物語るもので、核心といえなくもない。合併や統合が売りになれば市場に買い材料が見当たらない。郵政3社のように、利回りを東証一部平均(1.57%)の2倍に設定してこの程度。■■(****)や■■■(****)、VWなど人災も目立つだけに、16〜17日それなりに学ぶところがあった。クルーグマン(62)によると、1990年バブル崩壊から25年。日本は1人当たりGDPで欧米の成長率をしのいでいたという。半面、生産年齢人口(15〜64歳)が1998年8726万人をピークに減少。2015年7682万人となり、17年で1044万人(12%)落ち込んだ。就業率78%に変化なく、1年平均61万人リタイアした現役世代が「失われた20年」に影をおとしたもの。さらに、2015年から20年まで7341万人(1年同68万人)に減少する見込みで、GDP年率2%成長でも実質1%にとどまるという。内閣府の試算によると、潜在成長率0.6%(2014年)。ところが、日銀0.2%(同10月)。つまり、日本は実質1%成長でも潜在成長力をはるか上回り好況になるわけだ。クルーグマンのおかげで気を取り直した。日本は製造業が原油をはじめ資源安のネガティブな影響を受けて出直し。ポジティブな反転で圧倒的な競争力をつけ復活するというのが持論。ものづくりの国に変わりない。自動車は■■■(****)の100周年(2037年)で頭打ちとみられ、これから20年航空機で欧米をキャッチアップ。下請けでなく完成機メーカーに脱皮する場面。部品点数100万(自動車3万)を数え裾野が広いうえ、ハイエンドの固まり。素材、3Dソフト、ITなど全産業も一皮二皮むけるはずだ。中長期、日経平均3〜4万円。5〜6万円も考えられる。
17日の日経平均236円高。大引け1万9630円。TOPIX1586(+14)。東証一部の出来高22億5000万株、売買代金2兆6500億円。12月限が240円高で寄り250円高の1万9680円引け。10年債利回り0.300%変わらず。上海総合が3604(-0.06%)で引けた。値上がり率ランキングによると、セリア(2782)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■■(****)など関係分。メンテナンスにかかりきりだ。(了凡)