証券ビュー

アンコール伊勢町

流動性の低下目立つ 巻き戻し一巡やり場のない11月 (2015.10.23)

 売り一巡から下げ渋り後場反落。材料株の個別物色にとどまった。21日の米国10年債利回り2.0228%に対し、22日1ドル119.66~76円で推移。このままなら来週米利上げ、追加緩和見送り。

巻き戻しのポジションが一巡し、やり場のない11月を迎える。2月新甫で荒れること請け合いだ。次のFOMC12月15~16日、日銀の政策決定会合11月18~19日(年内12月17~18日)。残っているのが企業の7~9月期決算発表とファンドの決算程度で心細い。手掛かり難から売りが出ても買いが入らないと一方通行。先進国のほか新興国も流動性の低下が目立ち、IMFが10月の金融安定性報告で債券を念頭に問題提起した。欧米と日本であれほど量的緩和しても流動性が枯渇しているためだ。投信の場合、顧客の解約次第で待ったなしの売りを出す。前週明らかになったゴールドマンの大幅減益や大手ヘッジファンドの閉鎖も気掛かり。今、若林栄四氏の新刊を読んでいるが、旧刊「異次元経済 金利の世界」も面白かった。いわく、2015年に世界同時デフレ突入。資本の拡大生産が止まる。1980年代から米国経済をけん引したのが金融業なら、「ゼロの世界」に導いているのも金融業。約40年「偽りの成長」が総決算を迎えたという。日本は脱デフレ・上昇波動の但し書きがミソ。ところが、新刊で日本株は来年一杯世界デフレに巻き込まれ大幅下落。黄金分割で日柄を計算すると年内整理という。1989年末の日経平均3万8957円から27年目(162ヵ月×2)にあたる2017年1月底入れ。1万4500円が目安。それに、為替も2016年7~9月1ドル93円が無理のないレベル。来年から日本の長期金利が上がるという。米国在住で「NYからの便り」にもうかがえるが、金融正常化と称して2015年に年内利上げを盛んに発信しているのがFRBの現状。QEは景気を押し上げることができず2%台の低成長。この間、株を中心に資産価格が上昇。NYダウがリーマンショック直後の安値から約3倍。持つ者と持たざる者の格差拡大を促した。旧レーガン政権の新自由主義がリーマンショックで崩壊したにもかかわらず、上位1%を救おうとするFRBの政策で一般勤労者99%が窮乏化。このまま米国経済がすんなり回復軌道に乗ることはあり得ない。あってはならない。むしろ、FRBの失敗が明らかになり、米国景気が再び下降し長期低迷。これに代わる新しいパラダイム(支配的な規範)登場に言及している。昨年10月から無理を重ねた米国の株高が持ちこたえられなくなった。来週後半、手仕舞いが予想される。
 22日の日経平均118円安。大引け1万8435円。TOPIX1518(-8)。東証一部の出来高18億4200万株、売買代金1兆9800億円。上海総合3368(+1.45%)の引け。12月限が100円安で寄り90円安の1万8450円引け。10年債利回り0.310%(-0.005%)。値上がり率上位を見ると、関係分で■■■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■■■■(****)程度。日経平均やTOPIXなどインデックスが売られても個別にバリュー(割安)は買われる。医学生物(4557・JQ)、■■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■■(****)など医薬品が最右翼。航空機関連も伸びる。■■■(****)の復活に期待している。(了凡)