証券ビュー

アンコール伊勢町

日経平均にもお鉢回る  9~11月、危機こそチャンス (2011.09.17)

欧米に追随し上振れ。年末の助走が始まった。15日ベルリン発、世界主要5中銀ドル資金供給報道がきっかけ。無制限といっても担保つきだが、13日から述べているようにドル、ユーロ、円の3極体制によるもの。ドル、ユーロ維持に円不可欠。まだ外債発行に至らないが、世界に対し円供給の道筋がついた。もっとも、依然痛み止めの時間稼ぎ。このままでは欧州の資金繰りが行き詰まり越年できないとみられるためで、ギリシャに対し、月内8400億円支援待ったなし。ポルトガルやスペイン、イタリアのほかアイルランド、英国も又貸し、追い貸しの口。問題解決を先送りしている。日本の場合、80円割れの円高を受け入れたうえ、事実上徳政令を認めるもの。5中銀のうち、今の日銀が一番真面目だけにいつの間にか日本のペース。むしろ、ギリシャショックが一巡するとランクが上がる。16日の日経「大機小機」もいうように、危機こそチャンスと考えられる。16日に下げの第2波持ち越し、10、11月まで追っ掛けてくると述べたが、3連休明けからリスクを受け入れる構え。15日の新発10年国債利回り0.990%に対し、東証1部全銘柄の平均予想配当利回り2.18%。2.18を0.99で割ると2.2になるが、来年を視野に入れると倍以上になるものがザラにあるということ。国も企業も人間も、いざという時の底力がよりどころだ。その点、福島の復活が見もの。近現代無残だった戊辰戦争や1888年の磐梯山噴火など先史、古代、中世、近世を通じ困難を克服した復元力がすばらしい。日本が破壊された福島原発の後始末をやってのければ後日高い評価。放射能の半減期という科学的事実に対し、復興庁中心にあらゆる英知を結集して洗浄に取り組めばいい。ところで、来年半ば40年ぶり国産旅客機MRJ初飛行の予定。■■(****)の子会社三菱航空機によるもので、現在オプション契約を含め130機受注。マーケットは20年で5000機といわれ、初飛行を契機に延べ1000機受注を目指すという。単価は70~100席クラス30億円前後。■■■■(****)が降着システム、■■■■■(****)はフライト・コントロール・アクチュエーターを担当する。YS11と一線を画したもので、来年早々人気化が予想される。前者は今年5月「テスト飛行」で727円の高値。16日480円で引けたが、暮れにかけて期日売りが見込まれ狙い目。300円ではまると960円が目安になる。後者も暮れか年明け検討に値する。

日経平均は195円高。断続的に買い戻しが入り大引け8864円。2週間ぶりの水準になった。出来高19億2600万株、売買代金1兆1900億円。16~17日EU財務相理事会、20~21日FOMCとあって引けにも買い戻しが入った。■■(****)が253円と堅調なほか■■(****)397円、■■■■(****)も84円でしっかり一本釣りの■■■■■(****)に見どころがある。最後の円高。あと半年で基調転換。円安インフレを見越して動いている。悲観人気が強いだけに一攫千金の旨み。急所を7~9月から9~11月に持ち越した。半年もちこたえると流れが変わる。日本の復活は3・11スタートした。震災と原発事故によってエネルギーをはじめ新産業革命も考えられ、リスクマネーが市場に戻ってくる。危機こそチャンス。半年後に備え9~11月モノにせよ。日経平均にもお鉢が回ってくる。(了凡)