市場がギリシャ解決迫る ドル、ユーロ維持に円不可欠 (2011.09.15)
買い戻しが一巡し模様眺め。後場一段安になった。手詰まりが目立っている。欧州の信用不安拡大によるもので、13日ギリシャ国債の1年物利回りが100%突破。待ったなしだ。7月21日ユーロ緊急首脳会議から2ヵ月足らずで市場が解決を迫っている。米国も7月から追加緩和棚上げに伴い禁断症状。財政、金融大盤振る舞いの後だけに、雇用をはじめ経済関連統計の改善困難。欧州同様内部対立も尾を引いている。このため、20~21日のFOMCを勘案し10月にかけて底入れ。どんな形であれ、処分売りが予想される。つまり、12日8521円を安値に持ち直した日経平均が3月の年初来安値8227円割れ。円ドル75円台、円ユーロ100円をのぞく場面。結論からいえばあく抜けとみられ、前向きに臨むところだ。ニクソンショックから40年円高、バブル崩壊後20年デフレにかかわらず円の信頼が厚いためで、米国がドル本位制、欧州も現行ユーロを維持するうえで日本の支援が不可欠とみられる。事実、日本は世界最大の債権国。一昨年までGDP2位につけ、それなりに国際通貨として流通してもよさそうなもの。経済が強いと周囲の国にもその国の通貨が使用されるのが歴史の常。日本は政府、企業、個人も国際的に使われるための努力をしてこなかった。一貫して米国追随、フリーライドといわれた。日本の対外資産が増加し、米国は対外債務が増加しているためで、現在のドル本位制では、諸外国の対外資産が増加するとドル安になって不均衡が調整される。つまり、対外純債務国の通貨を基軸にしている限り、いくら労働生産性を上げても努力が報われない。政府は急激な円高になると為替介入しているが何も解決しない。そこで、櫻川教授が日本にできることを提案している。資本と技術を新興の国々に提供して成長を支えること。もうひとつが、円を世界に供給し通貨体制の安定に貢献すること。そうすると、経常黒字の累積した国の通貨が基軸となり、あるべき姿に近づくという。震災をきっかけとする外債発行は通貨外交の第一歩。ちょっとしたきっかけで流れが大きく変わり、全てうまく回り出すことがある。これまで何をやっても駄目だったが、成功すると、なぜこんなに取り巻く流れがよくなるものか驚くような変化が起きるという。
日経平均は97円安。後場広範囲に売り物が出て8518円の引け。日本時間15日未明にギリシャ、ドイツ、フランスのトップ電話会談が伝えられる一方、大連の夏季ダボス会議で中国首相が景気減速に触れた発言をした模様。実体は日経平均の下げ以上になった。出来高17億7600万株、売買代金1兆1100億円。■■■■(****)が1811円の引け。異色の抵抗を見せている。■■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)、さらに■■■■■■■(****)も今週2日、来週3日検討余地。■■■■(****)は海外380人削減というが、旧リーマン8000人の処遇がポイント。この程度ではジリ貧とみられる。■■■■■(****)は2ケタに里帰り。昨年7月掻き集めた増資の反動が出てくる。■■■(****)は1183円の引け。14日述べたように1050円ならしめたもの。■■■■(****)が1116円と甘い。円と金先物相場の節目に大商いが予想され、ひとまず1020円が目安。いずれにしても9月15日から2週間、震災直後の反動が期日到来となってぶれる。(了凡)