共倒れよりはるかにマシ ドル、ユーロ、円の3極体制 (2011.09.13)
前週末息切れした米欧株安を受けて続落。目安の日経平均8521円目前。底入れしても底が抜ける場面を考えている。8日米大統領が発表した35兆円の景気・雇用対策に財源を巡り野党の抵抗が強いほか、9日ドイツのECB専務理事辞任が欧州内部対立、ギリシャのデフォルトを連想するものと受け取られ、中国も日経が10日伝えたようにバブル崩壊の瀬戸際。これに対し、日本は就任9日目で経産相が辞任する不手際。売り材料は山ほどあるのに、買い材料が見つからないためだ。しかし、市場が逐一最悪の事態を織り込み、問題点が明らかになると買い戻しが入るのも事実。日本の場合、新経産相は前官房長官に決まった。課題は日本の通貨外交。次善の策として円がドルを支える体制をつくることができるかどうか。このままでは米欧没落、中国転覆に引っ張られ日本復活も儘ならない。つまり、復興債を米欧と中国に引き受けて貰うため事前に根回しする必要がある。櫻川教授は「今回の震災や原発事故は日本で起きたが、実際には世界の危機。対応に失敗すると世界中困る。そうである以上、世界に助けを求めればいい」という。同感である。平たくいえば、ドル基軸通貨体制を見直しドル、ユーロ、円の3極体制。緊張をもたらすうえで比率4、3、3が妥当という。そして、3通貨をベースにSDR(特別引き出し権)のような準備通貨をつくり緊急時に対応する。共倒れよりはるかにマシで、今後50年程度もつという。米国にとって円の国際化はともかく、日本が成長を取り戻すと助かる。ドルだけで現体制がもたないことを米国自身一番わかっている。円ならドルを支えることができる。しかし、現在の経済閣僚にひところ光っていた宮澤喜一のような切れ者がいない。新政権の経済財政・国家戦略相、財務相、経産相、外務相など束になっても及ばない。官僚機構も与党に馴染めず、優秀な人材ほど腐っているという。してみると、12日述べたように限界までいってひっくり返るほかない。日経平均でいうと、3月15日ザラ場安値8227円割れ。敢えていえば、■■■■■(****)87円、■■■■(****)269円前後の水準。無為無策、平時対応がたたり円高デフレに拍車がかかる。■■■■■(****)9530円、■■■(****)2440円しかり。■■■■(****)の1020円、ものによると870円まで振るかどうか。今週4日、来週3日のうちに運命を左右する日がやってくる。
日経平均は201円安。円ドル77円台、円ユーロも104円台前半に入り8535円の引け。12月物に断続的な売りが出ている。出来高16億9300万株、売買代金1兆円にとどまった。値上がりランキングで気になるのが、5位に入った■■■(****)1212円。2009、10年の高値1340~50円を抜くとリーマンショック前の1660円まで直線コース。震災、原発事故に伴う石油ストーブ特需が手がかり。7月28日1Qを発表したが、2Q以降予想以上とみられる。■■■■(****)が1808円に反落。ギャンブル法案と取り組みが支援材料。一本立ちも考えられる。■■■■(****)は359円の引け。業績好調で1Q発表(昨年10月13日)が待たれる。■■■(****)が12万9900円に切り返した。iPS細胞と並びバイオをリード。すい臓がんワクチンの製造承認申請が早まりそうな情勢。底入れしても底が抜ける場面に妙味大。結局、日本にお鉢が回ってくる。(了凡)