関東大震災も外債発行 今回決まれば日経平均急騰 (2011.09.06)
NYダウ3連休明け待ち。旗色が悪い。2日米雇用統計横ばいを受けたもので、前週末のCME9月物8825円に鞘寄せした後も安い。新政権発足にかかわらず、9日SQを前に逆回転している。台風12号が太平洋高気圧と偏西風に阻まれ右折できず直進。日本海に抜けた後も豪雨を見舞ったのと似ている。今週は6~7日に日銀政策決定会合、8日FRB議長講演、米政権景気・雇用対策発表、ECB理事会など何か出そうな雰囲気。しかし、市場は7~8月ギリシャ危機再燃、米国債格下げを通じて金融・政策対応の限界を織り込み、9月に入って手詰まり。出るとすれば、時間稼ぎの声明。二段下げを警戒している。3日に首相直轄の「国家戦略会議」新設が決まったというが、内閣府設置法を改正しないと官僚の抵抗により骨抜きになりかねない。米欧は金融システム、中国もバブル崩壊の瀬戸際にあり、日本も転機に違いない。企業はリーマンショック、震災、原発事故、さらに円高に適応しやりくり算段しているが、政治が高度成長と成功体験の延長上。いまも既得権の抵抗にあって機能不全。新政権が1年前後で直近5回行き詰まり、約束しても反故になる始末。たとえば、小泉内閣が決めた財政再建路線。リーマンショック以降雲散霧消。麻生政権の大盤振る舞いで吹っ飛んだ。以来、再建を唱えながらチェックなし。IMFが口を出すのもわかる。ところで、日本政府は1923年に関東大震災を受けて外債を発行。円換算5億4500万円。当時の政府予算約20億円の4分の1。関税収入を担保にしていたという。外債発行には金準備が一般的だが不十分。経済が打撃を受け信用力の低下が目立ち、金利6%のうえ多額の銀行手数料をやむなくされ屈辱的なものと批判された。しかし、東日本大震災後に櫻川教授が提案した外債発行はずっと有利な条件。約90兆円の外貨準備を担保に20ないし25兆円規模のもので、この円高なら海外でもさばける。復興による生産回復が見込まれるためで、返済義務を通じて財政規律も見直され、GDPの200%にのぼる既発債を刺激。円の国際化をもたらすという。本命岡田でも困難といわれた財務相だが、高橋是清のように体を張れば成功する。安住財務相をはじめ憂国の士いでよ。
日経平均は166円安。後場、前場の安値を下回り8784円の引け。SQを前に見切りも出始めた。出来高15億9500万株、売買代金1兆円。目安の8521円が近づいている。ちなみに、8月のSQ値9054円。下振れした経緯から9月二段下げ。ひとまずアク抜けが見込まれる。■■■■(****)1197円の下げが陰険なほか、■■■■(****)308円も米現法がFHFA(米連邦住宅金融庁)に提訴され一段安。 ■■■■■(****)112円も大台割れが予想される。一方、■■■(****)1973円、■■■■■(****)1万2150円、■■■(****)2640円など見送り。黄金分割1800円、9530円、2440円を目安に買い下がり。むしろ、今、来週と20~21日FOMCにかけて逆張り。ドル、ユーロでも円高とみられ、金先物2000ドル大台乗せも考えられる。危機は売り、安堵は買い。日本の90年代と同じ構図。日本は復興特需で反発の余地が大きい。かりに、櫻川教授の外債発行が国策になると日経平均急騰。売り方の踏みにつながる。 ■■■■■(****)1849円が9月の顔になりそうだ。(了凡)