証券ビュー

アンコール伊勢町

災い転じて福となす 外貨準備担保に円債を発行 (2011.09.05)

さすがに反落。売り一巡後もみ合い。NYダウ3連休明け待ちだ。米雇用統計発表とFRBの追加緩和を瀬踏み。ちゃぶついているためで、2日発足した新政権も消化難。安住財務相(49)、鉢呂経産相(63)といわれてもピンとこない。首相(54)が若返り世代交代が進んだものの軽い印象。9・11と3・11を経験し、組閣を通じて松下政経塾の限界を見る思いだ。同塾は平時に相当する1979年設立され、関東大震災と昭和恐慌以来100年レベルの有事になったリーマンショック、東日本大震災に対し力不足。時代の背景が一変している。命懸けならまだしも、平時のレベルでは問題解決にほど遠く、党三役、閣僚挙げて捨て身にならないと前に進まない。95年の阪神大震災。兵庫県の1人当たり県民生産を見ると、95年を100として07年94にとどまり、全国平均107と比べかなり差がある。つまり、神戸は復興していない。神戸港が当時トップ10から現在40位以下。震災で経営が悪化した兵庫銀の破たんも影響している。震災後3年で394件に拡大した倒産も気がかり。中小・零細企業が減少の一途。カネ、モノを投入して外観こそ取り戻したが、肝腎のヒトがいなくなったという。東北は首都圏の人材供給元。今回の復興を通じて25兆円レベルの公共投資を断行しても、現地に人をつなぎとめないと神戸より後退。せっかくの支援、特需も失敗に終わる。つまり、復興には夢のある政策が不可欠。関東大震災当時の後藤新平が必要。彼は被災を契機に首都改造を宣言し、ライフライン、都市インフラを一新した。ちなみに、名古屋の100メートル道路は同改造計画によるもので、東京で予算が削られ名古屋で実現したという。要するに、災い転じて福となすチャンス。ところが、まだ「後藤新平」が出てこない。そこで、8月24日紹介した慶大の櫻川教授(52)を思い出した。震災復興のため、約90兆円の外貨準備を担保に海外で円債を発行。円安、円の国際化を通じて復興と財政再建を同時に進めるという持論。夢のような話だが、この種の提案に新政権が乗るかどうか。前向きに進むところだ。

日経平均は110円安。7日ぶりに反落し8950円の引け。泣かせる地合いだ。時間外取引でNYダウ先物が売られ、後場寄り後■■■(****)が一段安。中ごろ戻したものの大引け甘い。出来高17億1400万株、売買代金1兆1300億円。1日急伸した■■■■(****)が後場持ち直し290円。月末にも中国バイテク最大手と技術支援本契約。具体化すると、再び人気化しそうだ。■■■■■(****)が堅調。1862円で引け期待をもてる。1日に日経がゲーム収益好調を伝えたもので、8月26日から再び株不足。出来高も伴っており一本立ちしそうだ。このほか、■■■■(****)がしっかり。大半持ち高調整売りに包まれた。国が傾く時はそれらしい不運がつきまとうという。戦前の日本がそうで、第1次大戦後の反動をかぶり関東大震災が起きた。金解禁と世界恐慌が重なり戦争に突入した。今回の震災もリーマンショック後の財政出動で政府債務が悪化。政権交代により民主党が拍車をかけた。このため、財政再建なしに復興に取り組むとムーディーズのいうように破綻懸念。ひとまず新政権の動きを見守るところだ。櫻川教授は、人々の力を結集するため、未来を想像する力が必要という。(了凡)