証券ビュー

アンコール伊勢町

戻り一巡から先物売り  金先物切り札に相場の限界探る (2011.08.17)

先物中心の空中戦。買い戻しが一巡すると見送られた。NYダウ3連騰を受けたもので、15日グーグルがモトローラに大幅なプレミアムをつけ、125億ドルで買収すると発表。ノキアも買われ、M&A関連にリスクマネーが戻ってきた。ダウ、ナスダックともに米国債格下げ前の水準というが、7月を踊り場に8月から調整入り。金先物が高値圏で突っ張っているだけにアク抜けしない。ちなみに、昨年11月FRBが追加緩和にさし出した6000億ドル。半分は公務員給与になり、残りが新興国の株式や商品の投機資金に流れたという。

ことに、ヘッジファンド。現在の残高2兆ドル(154兆円)といわれ、平均30倍のレバレッジで運用。4620兆円のパワーがある。それも16日述べたように、1秒間で1000回売買すると1000億円のエネルギーになり、各国政府や中央銀行の介入などひとたまりもない。16日述べたように、欧州の政策効果も一時的。このところ、下げるために上げているとすれば、戻り一巡から先物売り。容赦なく畳みかけてくる。■■■■■(****)の100円割れ、■■■■■(****)の300円割れが目安と述べた。ここまでくれば、■■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)を拾ってもいい。日本の場合、個人金融資産が約1500兆円あり、名目GDP469兆円の3倍といわれるが、世界の金融資産も同等に3倍を数え、国境を越え金融でつながっている。つまり、日本の蓄えは3年分に相当し、世界の国や企業、個人が3年分借りているというゼロサムの世界。その日本が、財投債を含め950兆円の超短期債の借り換えに窮々としている。長・短期平均すると満期6年といわれ、1年分で158兆円満期がやってくるためだ。月割り13兆円。毎月返さなくてはならず、財務省の役人が1ヵ月平均13兆円の借り換え債を発行。市場で売っているという。米国では新規債が1年128兆円、借り換え債も280兆円あり、どちらも日本の倍以上という。いわんや、ユーロ圏のPIIGSをや。戻したとはいえ、腫れ物にさわるような地合いとなり、一度ガス抜きしないと回るものも回らない。円ドル、ドルユーロ、ユーロ円とも限界を突破。どこで折り合いをつけるか。相場が限界を探り始めた。おそらく、金先物が切り札とみられる。

日経平均は21円高。後場戻り売りに押され9107円の引け。出来高16億7100万株、売買代金1兆円と薄商い。ボラティリティ・インデックスの高い地合いが続いている。■■■(****)は、13時13分13万7100円まで突っ込み、14万円ちょうどの引け。前週売り残が急減し逆回転とみられる。震災直後の3月と似てきた。■■■■■■■(****)は151円の引け。バランスを取り戻した。復活した大船渡工場がセメント原料の3分の1をリサイクル資源で回し、1400度の高温で燃くため塩素を分解し、製品の放射線量100ベクレル以下と述べた。新たな材料はベトナム工場稼働。国内外17のうち最大規模で、■■■■■■■(****)とベトナム政府合弁によるもの。新幹線、高速道路にメインにマレーシアも視野。国内の復興需要より海外の方がケタ外れのスケールになりそうだ。開発中の環境素材に目をむくものがあるという。まさかの安値を125円、107円と述べた。旧盆明け、NYダウ1万ドルの攻防こそ後退したが、26日FRB議長講演を念頭に気を抜けない場面。金先物の動きが注目される。ファンドが売ってくると戦闘開始だ。(了凡)