次の幕上がる日本企業 欧州の民間債務17政府の4倍 (2011.07.01)
4、5月につぎ6月末もドレッシング。1日早々化粧を落とすパターン。NYに追随している。年金や投信、ファンドなど機関投資家が主人公。やむなく基準価格を持ち上げ、ポジション調整売り。四半期ごと収益確保に追われ、動くたび持ち出しになることが多い。寄りあと指数先物・オプションも小動きになった。7~9月は米欧、中国も手がかり難。あるとすれば、消去法で日本。6月20日復興基本法が成立し、赤字国債・2次補正・「省エネ」法案など成立の有無が焦点。会期延長70日で折り合えば、公共投資25兆円が動き出す。しかし、退陣表明した首相が指揮をとる違和感、猛暑・節電の制約、九電の玄海原発再稼働など当惑材料。儘にならないのも事実。市場も動くに動けないわけだ。そこで、NY
ダウ調整10週目にあたる7月8日前後が次の目安と述べた。7~9月のアタリを探ろうというもの。米欧や中国など金融バブルの調整途上。手つかずとっていい状態。日本の方が20年以上先行しているためだ。問題は欧州。ユーロ圏の銀行や金融機関、大企業の負債。合計すると17の政府が抱える負債の4倍あるという。日本や米国は政府の方が圧倒的に多く、増税や国債発行で繰り延べできるが、民間の負債は10~30年返済というわけにいかず足が早い。今年、来年あたり手を打たないと銀行、金融機関、大企業が連鎖倒産。ユーロ圏に火の手が上がれば、英国も火の車になる。その英国、仇敵アイルランドに12兆円貸し込み、対外債務800兆円(GDPの4年分)。日本はアイルランド支援のため、今年1月欧州金融安定化債を1120億円購入したが、英国はアイルランド危機で存亡の瀬戸際。昨年末ムーディーズがアイルランド国債を5段階引き下げ飛び上がった。海外からアイルランド融資計58兆円。英国の金融機関は追加損失の計上を迫られポンド急落。英国政府は金融機関を支援するため200兆円分ポンドを投入した。昨年5月キャメロン内閣が戦後初の連立政権をつくりリストラを断行したが、アイルランドと一蓮托生になった超緊縮財政がいつまでもつか。デフォルトの誘惑に駆られているという。英国債は日本国債と違って海外投資家が保有。市場の信用を失うと暴落する。ところが、世界支配層の息がかかる格づけ会社は日本に文句をつけて格下げし、英国債はいまだトリプルAのまま。英国民は落ち目になっても既得権と高福祉を手放さない。損失を出した金融機関も国有化、政府支援を得て焼け太り。借りた者が勝ち、貸した相手が破綻するのを待っている風潮という。それでも英国民の生活水準はますます落ち目。欧州で地獄に一番近いという。
日経平均は18円高。後場アジア株高もあり9816円の引け。6月末3連騰した。出来高19億株、売買代金1兆3100億円。■■■(****)が2117円で引け、売買代金ランキング4位からも市場をリード。6月23日述べたように2280円が戻りの目安だ。■■■■(****)は182円の引け。193円をとらえそうだ。■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)は来週が楽しみだ。 ■■■■■■(****)は大相場型。アジア向け設備投資ブームを先取りするものだ。すでに1600円まで読める。日本企業には20年デフレ、円高を乗り切った強みがある。米欧や中国に対し、ポスト原発、震災復興に傾注するだけで次の幕が上がる。 (了凡)