欧州の政策効果一時的 内需関連中心に日本株が受け皿 (2011.08.16)
15日仏滅、16日大安。週明け、まさかの事態にふさわしい場味。抜き足差し足で始まった。12日持ち直したNYダウや海外のリバウンドに鞘寄せ。その後、模様眺めになっている。引けに締まった。14日満月、29日新月の影響も興味深い。事実、8月第2週に世界の株式市場が急落し、計算すると、延べ640兆円(14%)吹っ飛んだという。ことに、フランスとドイツの大手銀が30%暴落。PIIGSと呼ばれるポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインに貸し込んでいるためだ。デフォルト懸念を見越したもので、慌てたESMAがフランス、イタリア、スペイン、ベルギーで12日から空売り規制、風説の流布を取り締まると伝えられ、ひとまず買い戻しが入ったもの。依然として円高が足かせという。にもまして、欧州の空売り規制。先物取引を認めながら実施した措置で、先物を売れば従来と同じ。むしろ、逆効果という。前週CNNとBBCが「ドント パニック」を繰り返した模様。当局やメディアの呼びかけにかかわらず、まさかの事態は市場の手の内に握られたままだ。おのずと、先物売りに対し買い戻しをセット。第2週につぐ波乱が予想される。現在、世界の金融市場は冷温沸騰状態という。一国のマネー収縮がたちまち世界に及ぶためだ。しかも、7月19日から日経平均先物の夜間取引を午前3時まで延長。ものによると、FX同様寝首を掻かれる運命になった。ミセス・ワタナベのFX取引は、1日5兆円といわれ逆張りで有名。主婦約200万人、元手5000億円、最大レバレッジ25倍、市場シェア10%のレベル。あと45兆円が金融機関とヘッジファンドによるものという。ところが、彼らの先物売買は過半プログラムに組み込まれ、ロボットで1秒間に1000回売買すると1億円が1000億円の売買代金。各国政府の介入など問題にならなくなった。米国の場合、以上述べたロボット売買が世界の株、国債、商品先物を自動的に処理。1回でわずかな利鞘を数万倍にして稼いでいるという。つまり、12日実施された欧州の規制は政策効果を期待できず、一時的な小康をもたらしたものに過ぎない。15日述べたように、まさかの事態に備えるところ。みずほFG(8411)の100円割れ、野村HD(8604)の300円割れを目安に買い下がり。早ければ16日、遅くとも26日目鼻がつくとみられる。
日経平均は122円高。買い戻し一巡後見送られたが、後場首相退陣・大連立をネタに持ち直し9086円の引け。内需関連中心の動きだ。出来高14億9500万株、売買代金1兆円。■■■■■■■(****)がストップ高になり、買収を表明した■■■■■(****)も5830円(140円高)と高い。■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■(****)など復興相場の走り。■■■■■(****)、■■■(****)、■■■(****)など輸出関連もしっかり。個別では、ベトナムに橋頭堡を築いた■■(****)がじり高。全体でも、おっとりした財務相(54)のオールジャパン構想に外資も一口乗り始めた。5日の格下げで頭に血がのぼった米当局がS&Pを調べ上げる一方、沈みそうで沈まなかった日本から学ぼうと「失われた10年」の解明に取り組み始めたのも手がかり。米欧の政策対応が限界に達し、日本に御鉢が回ってきた。2番底がくるとすれば、日本国債、日本株が受け皿になるとみられ、内需関連中心であることもわかる。(了凡)