まさかの事態に備える 米欧限界に達し日本に御鉢 (2011.08.15)
12日のSQ値9054円。いよいよ一戦交える印象。思わず緊張した。7月持ち上げ8月下に振り、再び戻し15、16日を迎えるためで、米国債集中利払いが焦点。日本はつべこべいわないが、中国がドル安や格下げに伴う埋め合わせを要求。10日先物で一時1800ドルを突破した金相場と取引することも考えられる。以前米国が中国に送りつけた決済用金の延べ棒に、金と密度が同じのタングステンメッキが見つかり、白黒つかずこじれたまま。双方拝金主義と言われるだけに、週明けまさかの事態に備えるところだ。その次が、9日FOMCで決まった2013年半ばまでゼロ金利延長。FF金利を0.25%のレンジにとどめ今後2年据え置くもので、事実上3度目の追加緩和を示唆。FRB議長が26日ワイオミング州ジャクソンホールで開く年次会合講演に注目という。3度目の国債買い取りは「生命維持装置」に過ぎず、失敗に終わった時の反動が大きい。さらに、10日大騒ぎになったフランス国債格下げのうわさ。CDSの保証コストが急上昇し、破綻確率が米国より高くなったため、トリプルAのまま据え置くわけにいかないという。GDP8位のイタリアも首が回らず厄介なことだ。フランスが格下げとなればきつい。ドイツの負担も大きくなる。11日、ESMAがフランス、イタリア、スペイン、ベルギーで12日から空売り規制を強化。風説の流布を取り締まるという。そして、地獄の1丁目といわれながらトリプルAの英国。6日警官による黒人男性射殺をきっかけにロンドンの暴動が広がり、放火と略奪が横行。戒厳令の発動も伝えられる。人種差別やグローバリズムに反対する動きも事実で、経済の混乱に拍車がかかる見込み。そもそも、昨年11月大学の授業料が3倍になり、学生が与党本部に乱入したのがきっかけだ。日本も否応なく米欧の消耗戦に巻き込まれた。しばしば7~9月まさかの事態、トレンド転換と述べ引っ込みがつかなくなってきた。12日述べたように、米欧の財政危機が限界を迎え、円高にも限界がくると考えているためで、8月からまさかのトレンドを使って修正する場面。今月は15、16日と26日が該当する。
日経平均は18円安。朝高の後見送られ一段安となり8963円で引けた。出来高20億2900万株、売買代金1兆4300億円。依然円高が響き■■■■(****)が新安値になったほか、前日一斉に買われた復興関連も一服。7月後半から外資が売り越し、気迷いも尾を引いている。10日述べたように、内需関連の4つが目玉。■■■■(****)、■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)。それに■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■(****)もまさかの安値がありそうだ。敢えていえば、野村HDの300円割れを目安に買い下がり。一転して1割ないし2割
の反動高が見込まれ、利食い千人力が妥当なところ。中長期投資は、ご時世の過渡期に馴染まない。見方にもよるが、財政破綻は米欧や日本にも共通した問題。米国が2度目の格下げに追い込まれ、事実上ドル本位制が崩壊しても、欧州や日本、はては中国に肩代わりする能力がない。まして、フランスや英国も格下げとなれば元も子もない。世界秩序さえ台なしだ。そこで、円安。来年2月、仮説にしても長期金利上昇に伴うインフレに転換。円高デフレから脱出する時を迎える。8月から陰の極とみられるが、すでに米欧が限界に達し日本に御鉢が回ってくる。(了凡)