証券ビュー

アンコール伊勢町

まさかのトレンド学ぶ  日本経済より米欧の限界早い (2011.08.07)

 8月2日以来まさかのトレンド。4日NYダウ512ドル安から実線になった。08年12月1日679ドル安につぎ2年8ヵ月ぶり。ナスダック、金・原油先物も軒並み安。5日米雇用統計のほか、15~18日集中する米経済関連統計発表も気がかり。旧盆明け、NYダウ1万ドルの攻防が視野に入った。米欧信用不安連鎖によるもので、日本にとっても影響が大きい。しかし、5日述べたように今年、来年リーマンショックを上回る調整なし。というのも、来年世界主要国のトップ交代を巡る選挙が相次ぐためで、おりから長期金利上昇に伴うインフレが予想され、日本の場合円高から円安にトレンド転換。日経平均の値上がりが見込まれる。復興特需、消費税引き上げを見越したもので、過去10年下げに下げた内需関連がリード。これまで代表的なものを4つ紹介した。かりに来年天井を打てば世界中選挙の反動が考えられ、日本も煽りを受けるだけに再来年覚悟しているが、今ここでブレーキを踏んでも意味がない。日本の復活を確かめるため、まさかのトレンドに学ぶところ。相場の循環論から8月15日満月買い、29日新月売り。日経平均をなぞるとわかるが、7月31日新月売りに対し、8月14日満月買いのトレンドとみられる。震災に伴う3月15~16日の下げで値幅整理。以後5ヵ月日柄整理しており、海外と一線を画した動きになりそうだ。事態は先へ行けばいくほど深刻になり、解決困難と考えられる。ことに、欧州。ギリシャばかりかスペイン、イタリアも首が回らず、4日ECBが国債買い取り再開を表明。民間のケタはずれな不良債権を域内17の政府が肩代わりし、民間レベルで返済要求に追いまくられているわけだ。その点、米国は借り換えや利払いのたびドル増刷。期限が迫ると債務上限を引き上げ延命。時間稼ぎできる。しかし、「ユーロ崩壊」に引っ張られドル高の負い目。通説といわれる2013年の「ユーロ暴落」につき合うさだめにある。要するに、7月21日ギリシャ2次支援、8月2日上限引き上げを通じてカウントダウンに入った。来年世界主要国のボスを入れ替えるため、選挙でインフレを煽りひと休み。翌年下げるために上げるというのが玄人筋の情報。日本の場合、幸か不幸か40年円高、20年デフレの節目が来年2月にやってくる。これから半年、仕込みに精を出すところだ。

 日経平均は359円安。後場に入り円高がぶり返し9299円の引け。値を保ったのは東証1部でわずか60に過ぎず場味が悪い。出来高25億1400万株、売買代金1兆6100億円。市場エネルギーは3日から増加している。しかし、日立と重工の半端な統合報道がしこりをつくった。■■■(****)と■■■■(****)出直し。■■■■(****)は窓埋め。業績好転が見込まれ、360円目安に買い下がり。NYダウは前日まで9日連続安。10日目にひっくり返ることが多い。8日には逆の目も考えられる。このため、■■■■■(****)の1万3000円前後買いに分がある。デフレ本番、お先真っ暗の様相だが、米国の長期金利を見ると08年2.04%を底にインフレを3年先取り。限界を超えると向きを変える。すでに最悪期を過ぎた。日本経済の限界より、米欧の方が早くやってくる。彼らの限界が円安とインフレを呼ぶとみられ、円ドル74円ないし71円をターゲットにした。7月に踊り場を迎え、8月から陰の極。安堵を売り危機を買えばいい。(了凡)