内需中心にフル操業 日銀が弾く来年度2.9%成長 (2011.08.03)
買い戻しが一巡し安い。広範囲に売り物が出た。米国のデフォルト回避、米国債格下げを巡るもので、5日発表される米雇用統計発表が新たな手がかり。日経平均は前日上げた鞘をはき出した。上限引き上げ合意直後、76円台に入った円ドルに対し政府・日銀が介入を示唆。米国は「容認する」といまだに戦勝国気分。放漫財政の延長上にある。このため、15日に利払い集中を控え格下げ圧力。FRBが6月に国債買い取りを打ち切った矢先、7月から禁断症状が出たとみられる。1日発表された米製造業景況感指数、例の雇用統計、15日から18日に集中する経済関連統計などてきめん。痛み止めなしにいられない。これに対し、日銀の現状認識。7月20日副総裁講演によるもので、米欧がバランスシート調整圧力とソブリンリスクにさらされ、新興国もインフレ克服に追われる一方、日本は震災後落ち込みの反動で今年度0.4%成長。来年度2.9%までピッチが上がるという。消費者物価は今、来年度ともに0.7%上昇の見込み。今年が5年に1度指数改定の年で、修正すると0%前後も考えられるという。基本的に強力な金融緩和、成長基盤支援、リスク顕在化対応の3点を挙げており、FRBやECBよりずっとマシ。08年4月から現総裁(61)になり3年目。実務に徹しぶれないところが魅力で昨年から上昇運。2012、13年難局だけにいい人物がいたものだ。ところで、日銀の弾く来年度2.9%成長。主因は25~30兆円規模の復興投資とみられ、おそらく円高や節電対応も予想以上。企業は内需中心にフル操業が見込まれるという。その点、2日紹介した震災対応。■■(****)の決意を紹介する。中西社長の声明によるものだ。われわれは福島原発を安全な状態に持ち込むため、あらゆる犠牲を払うつもりだ。破壊された核燃料の後始末は、日本では経験のない大きなプロジェクト。まずクールダウンを安定する必要がある。冷温停止をやり終えたら、崩壊熱がある程度落ち着いた後に燃料を取り出して処理。きっちり格納する。廃炉の前にとんでもないプロセスが待っている。非常事態の原発をどう扱うか。ノウハウで米プラント大手ベクテル、同電力最大手エクセロンに優る企業はない。前者はスリーマイル島、後者はチェルノブイリの面倒をみた。提携先のGEと相談し協力体制を固めた。あらゆるものに優先し、東電の要請にすべてこたえ、今まさにやっているという。
日経平均は120円安。後場も安値圏で一進一退。9844円で引けた。日銀の円売り介入やETF買い入れも伝えられるが、ドルの先安観が嫌気されアジア株も及び腰。しばしば述べた8月2日逆張りが生きていた。出来高16億3300万株、売買代金1兆1500億円。次は8月14日満月買い、同29日新月売りの見込み。焦点は円高だが、来年2月74円ないし71円が目安。相場の限界といわれる。つくる方、売る方、買う方も引き合わず転機を迎えるという。つまり、円高はあと半年でピークアウト。次の主役は過去20年塗炭の苦しみに耐えた内需関連。代表的なものに■■■■■(****)、■■■(****)を紹介した。■■■■■(****)、■■■■(****)もそうだ。 ■■■■■(****)の1万5000円相場と対極をなすもので、■■(****)も7月22日643円を高値にひと相場終わった。これからは、冴えない内需関連が宝の山いわれる。(了凡)