証券ビュー

森羅万象

下値深くない のたりのたりか (2017.03.08)

昭和の風林史(昭和五十年三月五日掲載分)
少々悪い地合いでも
奈落の底に惨落するという相場ではない。
鮮烈な上昇もすぐには望めないが。
「さるかたにさる人すめるおぼろかな 万太郎」

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水風呂の辛抱 忍の一字で待つ (2017.03.07)

昭和の風林史(昭和五十年三月四日掲載分) 
水風呂の辛抱 忍の一字で待つ
新ポ軟調な地合いを眺め迷ったりすると
チャブつきの迷路に入りこむ。
辛抱、忍の一字の時も必要。
「春山や岩の上這う山帰来 鬼城」
新ポとはいうものの手がかりが掴めない。
金融は、かなりゆるんでいるが、

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「上水を流るるものに春の情」 越央子 (2017.03.06)

昭和の風林史(昭和五十年三月三日掲載分)
今年もつづく 世界的気象異変
天災期限月の八月限が登場して
小豆相場は天候相場の前夜祭気分である。
人気も集中せん。
「上水を流るるものに春の情 越央子」
本年は太陽の黒点数が極小年に当たるため
地球上の各地は昨年に続いて
異常な気象現象を見せそうだ。
特に寒冷化が進んでいる北極の寒気は
①グリーンランド②シベリア北部③カナダ北部の三方向に張り出し、
いわゆる〝三波数型〟の気象異変型を示している。
このため、ヨーロッパ、ロシア、西シベリア、
中国、日本、カナダ、アメリカなどの中緯度地帯では、
暖冬、冷夏、大雪、干ばつなどの気象異常が発生しやすい。
北半球の高緯度地方の寒冷化に伴って
赤道前線は南に押し下げられ、
低緯度地帯では降雨域が移動して
印度中部やアフリカ北部で干ばつ。
バングラデシュでは洪水が定常化している。
このため南半球では二、三月にかけ
南部地方で大雨が降りやすく、砂漠が緑化している。
ところで〝三波数型〟の寒気の張り出しは
昭和29年、38年、39年などの夏および冬に現れて、
日本では冷害や豪雪、アメリカでは
長雨、干ばつ、ヨーロッパでは冷夏が続いた。
今年の冬は昭和38年型の北陸を中心とした豪雪があり、
すでに異常である。
それではアメリカ、ヨーロッパ、中国などの本年の天気を予想すると
アメリカではカナダ北部の寒気の影響を受けやすく、
五大湖を中心として中西部、北部から東部大西洋にかけ
低温と不順な天候が続き
南部地方は昨年に続いて干ばつの傾向が強い。
ヨーロッパ、ロシアは春先から夏にかけて
低温現象が現われ不順であろう。
中国は、東北部では低気圧の発生が多く寒暖の変動が激しく
華北を中心に南西部地方では水不足が目立ち
大干ばつの気配がある。
いずれにしても今年の気象異変は注目されるところで、
穀物相場に関心を持つ人々は、
三年連続の小豆豊作という奇蹟もピリオドを打って
北海道の冷害・凶作は、
その可能性が非常に高いことを投機思惑の基盤に据えている。
また昨年まで小豆の大場所であった中間機関が
今年から連作の関係もあって大幅減反になり、
作付け四万ヘクタール台という見方は、
ほぼ間違いのないところのようだ。
●編集部注
 太陽黒点と経済の関連性の歴史は結構古い。
 19世紀後半に活躍した英国の経済学者、
ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズが「
太陽黒点説」を唱えている。
 近年では三菱UFJモルガン・スタンレー証券の
嶋中雄二氏が有名だ。
【昭和五十年三月一日・休場】

足は軽ろやか 春山笑うが如し (2017.03.03)

昭和の風林史(昭和五十年三月一日掲載分) 
足は軽ろやか 春山笑うが如し
春暖の候。重い腰の小豆相場が新たに注目されてくる。
先二本完全なる天災期限月。足は軽い。
「かなしき事のつづくに草が萌えそめし 山頭火
陽春三月。暖地では花が咲く。梅から桃にかわる。
人の気持ちも、なごんでくる。
詩人は春山淡治にして笑うが如く
と遠望した山も笑っているように見える。
夏山は蒼翠にして滴るが如く、
秋山は明浄にして粧うが如く、
冬山は惨淡として眠るが如し
 という。
小豆相場のほうも冬菜や眠るが如しから、
春山笑うが如しに移り変わろうとしていることが判る。
小豆は、三月、四月需要最盛期だ。
進入学、春の彼岸、花見行楽、
その間に結婚式の祝儀もある。
現物の荷動きが、にわかに活動してくる。
末端の現物筋は、
軟調地合いの相場を眺め、手当てが遅れている。
あわてて買う事はない、
もう少し待て、もう少し待てで庭がすいている。
相場が締まってくると
そういう様子眺めだった現物問屋も、
需要かも手当てを急ぎだす。
現物価格が締まり定期の期近限月が強張ってくると
価格変動に敏感な先限が人気化してくる。
定期先限は、
現物事情よりも思惑人気で動くものである。
すでに作付け面積の大幅減反と、
三年続きの豊作のあとの危険な年回りであること。
そして世界的な異常気象が今年も続いている。
これで、取り組みが太ってくれば、
水準が低いところの取り組みだけに
面白い動きが期待できるのである。
そして相場で最も重視される日柄。
この日柄が昨年の九月28日底入れして
二月28日で五カ月を過ぎた。
この間、先限引き継ぎ線は
一万七千円中心の動きである。
横に横にと這ってきた相場だ。
日柄充分―といえよう。
一方、投機を刺激する景気のほうも、
かなり回復している。
金融もゆるみ過剰流動性資金の流れも
速度がついてきた感じがする。
春遠からじ―から春来たる段階だ。
三月も二月と同じく三日新ポ。そして八月限登場だ。
七・八の先二本は生(き)一本の天災期限月。
重かった三月限も底を確認した。
●編集部注
さて、三月である。
この年の三月は
後々のエポックメーキングとなる事象が
幾つか起こった。
先ず、新大阪から博多までを結ぶ山陽新幹線が
三月に全線開業している。
ペヤングソースやきそばも三月に発売している。
【昭和五十年二月二八日小豆七月限
大阪一万七〇七〇円・一〇円高/
東京一万七〇九〇円・六〇円安】

「投機の歯車」いつ回る (2017.03.02)

昭和の風林史(昭和五十年二月二八日掲載分)
基調依然強し 弱気無用の小豆
手亡相場は警戒されながらも基調は強い。
小豆も八月限登場を期待。先は明るい相場だ。
「壷焼の壷傾きて火の崩れ 鳴雪」

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