証券ビュー

森羅万象

悪材料織り込む 大底打つだろう (2017.03.31)

昭和の風林史(昭和五十年三月二七日掲載分)
悪材料織り込む 大底打つだろう
手亡相場も大底を打たねばならない時にきている。
悪い悪い―は織り込んでいる。弱気時代終わる。
「定まらぬ天気に育つ蚕かな 碧梧桐」

>>続きを読む

「昼中や雲にとまりて鳴く雲雀」 碧梧桐 (2017.03.30)

昭和の風林史(昭和五十年三月二六日掲載分) 
小豆反騰せん 手亡は人海戦術
手亡の人海戦術がどのような結末を見せるであろうか。
小豆相場は強気一貫で報われそうだ。
「昼中や雲にとまりて鳴く雲雀 碧梧桐」
小豆の前二本の値段が、かたまっている。
もう、この値段以下ありませんよ―
という風情の相場だ。
悪い悪いと言われてきた期近小豆が
20日のあの居合い抜きのような瞬間下げにも、
眉ひとつ動かさなかったことは注目に値する。
先二本は完全な天災期限月。
これは畠に小豆の豆を播いてからは
その日その日のお天気に左右されるが、
それまでは人気一本の動きである。
市場人気は、先日の瞬間安で、かなり迷ったけれど、
先に行けば高いという希望は残している。
ただ、小豆の取り組みが、
もうひとつ太らないのが気がかりになる。
手亡は、これだけ下げてきて、
なお大取り組みを維持している。
過去の相場の常識としては
(手亡)先限二千五百円下げで大取り組みは、
ほぐれて然るべきだ。
それが厳然としている。
ここまできてほぐれない取り組みは、
これから五百円下げても解けないであろう。
まるで朝鮮動乱の時の
中国軍の人海戦術を見る思いがする。
手亡相場の人海戦術。
これが輸入商社系のピービーンズ攻撃に、
どこまで耐えられるか。
手亡の九、十月限はピービーンズの格差虐待を予想して
逆ザヤに生まれてくるだろう。
従って、手亡の一万二千円台は売られる。
いずれは手亡の一万一千円そこそこが地相場になろう
という見方は今ではもう〝相場の常識〟である。
なのに、大衆買いはひきもきらない。
値ごろ観と証拠金の手ごろさ。
そして専業取引員の営業政策などがその背景にある。
まして手亡相場が自律戻し、自律反騰でもすれば、
買い気はさらにつのることであろう。
相場としての妙味はないが
専業大手の商売としての手亡は妙味があるのである。
そういう手亡を横に置いといて、
相場の妙味がこれから出てくると思われる小豆を、
やはり強気していくのが正攻法だと思う。
小豆の取り組みが
十万枚を突破してからでも買うのは遅くない
と見る人もあるが、
そのころには、かなり相場水準が高くなっているはずだ。
●編集部註
小豆相場は、
そろそろ長い保合いのトンネルを抜けようとしている。
この〝そろそろ〟が、なかなかの曲者である。
相場の節目は相場心理の節目。
心揺らがぬ場面で表れないのが常だ。
【昭和五十年三月二五日小豆八月限
大阪一万六八二〇円・一二〇円高/
東京一万六八一〇円・一二〇円高】

閃光一瞬毒気を抜かれた市況 (2017.03.29)

昭和の風林史(昭和五十年三月二五日掲載分)
小豆買い方針 手亡に妙味ない
居合い抜きの小豆に市場は毒気を抜かれたが、
これでアクが抜けた。小豆は買い方針でよい。
「菜の花や淀も桂も忘れ水 言水」
毒気を抜かれた―という感じの市況だ。
手亡相場の悪い事は知っていた。
手亡売りの小豆買いという人気であった。
小豆は大丈夫という安心感を、
アッケラカンにふっ飛ばした彼岸の中日の前(20日)の瞬間安は、
まるで居合い抜きである。
腰に差したままの刀を抜く手も見せず閃光一瞬の間に
相手を切り倒し、刀は、もとの鞘におさまっている。
天災期の波乱にもつれこむこと、
こういことは、たびたび見られる。
ストップ安で寄った相場が
ストップ高に引けたりしたこともある。
しかし仲春三月需要期相場ではめずらしい。
つもりつもっていた小豆相場の疲労が、
ドッと出たというしかない。
しかし、これで灰汁(あく)抜けした。
相場も人間の体と同じである。無理はいけない。
無理を重ねると必ずとがめが出る。
大きな病気ではなかったが
〝長もちあい〟の疲労が重なっていた。
いうなら〝精神疲労〟である。
それが、お隣りの手亡相場の〝ズッコケ〟で
小豆に心理的な影響をもたらして崩れた。
小豆は現在、病後の体である。
日柄を薬に徐々に体力を回復していくことであろう。
無理は、まだ禁物である。だが、疾患は取り除かれた。
小豆相場の、
これからの安いところは買い方針でよいと思う。
もう、あれ以上悪くなることはないからだ。
ものは考えようである。
高い水準で天候相場に突入するよりは、
低い水準で天候相場にのぞむほうが
投機家にとっては、どれほどハンディが軽いか。
小豆は買い方針で一貫すれば、報われる。
問題は手亡である。手亡は戻せば売られる体質だ。
値ごろ観で手亡を買うのはまったく無意味であるからだ。
安いのは、安いだけの理由があるからだ。
その手亡も、いずれ大底を打つ。
問題は値段である。
手亡先限の一万一千五百円あたりは一応の目安だ。
九月限、十月限が逆ザヤで生まれようから、
先限引き継ぎ線はそれ以下の値になるだろう。
●編集部註
 戦略と戦術がしっかり決まっている人は強い。
 今回の文章こそ、
後にバフェトの金言となる「恐怖の時こそ欲を出せ」を
地で行く世界といえる。
【昭和五十年三月二四日小豆八月限
大阪一万六七〇〇円・五〇円高/
東京一万六六九〇円・九〇円安】

「駒鳥啼くと胸突き坂を仰ぎけり」 爽青 (2017.03.28)

昭和の風林史(昭和五十年三月二四日掲載分)
小豆は彼岸底 手亡底入れ待ち
小豆は彼岸底を打った。
ただ手亡が底入れするまで小豆だけ鮮烈な上昇は出来ず待ちの姿勢。
「駒鳥啼くと胸突き坂を仰ぎけり 爽青」
小豆相場の20日の朝からいきなりS安の寄りは、
積み重なっていた相場の疲労が
一度にドッと出た格好である。
しかし、そのあとの
強烈な〝たくしあげ〟を見ていると相場は死んでいない。
おりから春の彼岸の中日。昔からよく言う彼岸底を思わせた。
左様。小豆相場は彼岸底入れた。
もとより現在の環境から判断して、この相場が、
鮮烈な上昇を展開することは難しいであろうが、
三月20日に付けた瞬間的な安値を割る事は出来ない。
今後に予想される相場展開は、
やはり先限の七千円中心の動きであろう。
線型は先限(大阪)19日の引け値六千八百八十円までの窓を埋めて、
空間窓を埋めたあと、それからの足取りが
強含みに推移するか弱含みかという急所にさしかかろうとしている。
また、相場の水準を判断するひとつの現象として
期近限月二本の〝その時の下げ方〟である。
先三本の下げと、前二本の下げは、
同じ小豆相場でありながら、まったく違ったものを見せた。
この事は、前二本は小豆の値段として、
まったく下げ余地のない裸値段である事を証明している。
先三本の下げは、人気料がハゲた。
水ぶくれの値段分が消えたと見ればよい。
時間はかかるだろうが、小豆相場に関しては、
その体質は贅肉を削り落とし、筋肉質になった。
積み重なっていた疲労を取りのぞけば、
今までに見られなかった新鮮な相場に生まれ変わるだろう。
充分に期待出来る相場といえる。
では、手亡相場はどうか。
手亡は、小豆とまったく違う動きだ。
戻すことはあっても、それは利食い戻しで、再び売られる。
相場そのものが持つ回復力というものがまだない。
いずれは、この手亡も大底を打つ事であろうが
手亡相場の諸要因が、灰汁(あく)抜けしきれないあいだは、
戻せば売りでよい。
その間、即ち手亡が大底を打つまで、
小豆は、待ちの姿勢と見る。
ひとり小豆だけズンズン行く事はない。
しかし小豆相場は完全な上値指向型だ。
●編集部註
 値幅制限の地獄は、味わったものしか判らない。
注文が入る分、サーキットブレーカー方式の方が
まだマシであるといえる。
【昭和五十年三月二二日小豆八月限
大阪一万六六五〇円・四〇円安/
東京一万六七八〇円・一〇円安】

やせ細った取り組み 辛抱強い思惑 (2017.03.27)

昭和の風林史(昭和五十年三月二二日掲載分) 
亀裂が入った 七千円がカサに
今度は小豆がぶっ倒れる番である。
大もちあいを下放れた相場。長い道のりである。
手亡の大崩れのあとは小豆の番である。
ケイ線で言うところの「もちあい下放れ」である。
今年に入っての先限引き継ぎ線では

>>続きを読む