天井売らず、底買わず 早耳の早倒れ (2017.07.18)
昭和の風林史(昭和五四年七月九日掲載分)
迷わすところ 大直り初期の現象
早耳の早倒れ というが、早見えの早倒れでもある。
小豆は出直り態勢の序の口である。
「寝冷して韮の雑炊たきくれし 恒明」
天井売らず、底買わず―という言葉がある。
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昭和の風林史(昭和五四年七月六日掲載分)
弱気が多い方があとになって相場が大きくなる。
本年の小豆相場は後半が勝負である。
小豆相場が二万五千円、六千円の当時、
三万円の目標に向って誰もが強気した。
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昭和の風林史(昭和五四年七月五日掲載分)
安値売り過ぎ 出直りの若い相場
三千丁をストレートにいくか、
押したりしながらいくつかの違い。
底入れ→出直りの若い相場だ。
「川上は茂りに暗し河鹿鳴く 月斗」
相場は、どのように悪い材料が言われても、
下げるだけ下げてしまうと止まるものである事を、
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昭和の風林史(昭和五四年七月四日掲載分)
強気でいこう 悪材織り込み済み
押したり突いたりしながら小豆相場は出直っていくように思う。
底が入っただけに上伸は軽い。
「蒸し篭や湯気の底なる走り藷 峯青嵐」
博多の街は天神を中心に
右翼系の宣伝カーが軍艦マーチなどを流しながら
日教組大会に対してデモをかけ、
それが朝も早くから随分の宣伝カーが
ボリュームをあげているから、
ゆうべの軍国酒場の軍歌が、
まだ耳についているみたいだった。
一方、七月一日から博多祇園山笠祭で、
飾り山がそれぞれの町内に飾られ人々も
この15日までは浮きたつのである。
福岡の商取業界も、“悪魔の六月”の洗礼を受け、
小豆、輸入大豆の市場は大洪水のあとみたいだったが、
相場さえ動けば、また取り返しが利く―と、
川筋気質というか、くよくよしない。
そういうところが、この街の楽天的なよさであろう。
さて小豆相場であるが、
このまま素直に出直るとは誰も考えていない。
戻りを売れば、
もう一回安値を取りに安いと見る人が多い。
しかし線型は、立派な買い線を付けている。
人気が、戻り売りに傾くほど相場に、
芯が出来るように思える。
これで産地のお天気が変なふうになると、
玉整理は完了しているし、安値は売られているから、
少し力のある買いがはいると、
まったく、おやおやの動きになるだろう。
筆者は、相場に底が入ったと思う。
下げ値幅においても、下げ日柄においても、
大底確認である。
人々は、W底。もう一度下げて、
底固めをするという見方をしている。
それは多分に、期待感である。
あるいは、そういうことになるのかもしれないが、
戻り売りよりも、押し目買いのほうが
リスクが少ない相場になっていると思う。
一般には千円ないし千五百円の
自律戻しを考えているようだ。
これを買いついてくれば別だが今みたいに
戻り売りの気分が抜けきれなければ押しもしようが、
浅い押しを入れて、それをはね返すという、
出直り初期の若い動きになりかねない。
誰もが、現物の余ることも
品物の売れ行きが悪いことも知り尽している。
しかし相場は、知ったらしまいと言う。
それらの悪い要素を相場が知り尽せば
また違った動きに移る。
いまの小豆柑場は、
売られたり、叩かれたりしながら
出直っていくように思える。
そして、なにか大きな材料が出現しそうだ。
●編集部註
博多祇園山笠は、
福岡市の一部地域の「流」に属する男たちが
7月15日早朝の追い山に向け、
6月1日から動き出す700年以上続く祭りである。
「冷酒の利いていよいよ舌足らず」 草城 (2017.07.11)
昭和の風林史(昭和五四年七月三日掲載分)
小豆は買いだ あとから好材出る
本年後半は小豆相場が活躍するだろう。
小豆は買いである。買い材料はあとから出現する。
「冷酒の利いていよいよ舌足らず 草城」
相場というものは、底がはいってしまうと不思議なもので、
どんなに環境が悪く、どんなに悲観視されていても
ジグザグとりながら上昇していくものである。
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