昭和の風林史(昭和五四年七月二十七日掲載分)
あの玉を撃て 八月踏み月灼熱高
八月 踏み 月に準備して、利食いした買い方は押し目を待つ。
二万七千円は普段着の値になろう。
「大阪の祭つぎつぎの鱧の味 月斗」
ぼつぼつ市場人気は強くなりかけた。
しかし、まだ指標的な安値売り込み玉は踏んでこない。
『あの玉が踏むまで買いのままでよし』―などと言われる。
『あの玉は、安値のド壺叩いた玉』と市場で見ている。
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昭和の風林史(昭和五四年七月二十六日掲載分)
昔の相場です 腐っても赤ダイヤ
赤いダイヤは赤いダイヤなのである。
昔の名前で出ています。
五千円台の押しは静かに買うがよい。
「熱砂走るひびき少女の重さだけ 誓子」
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「ゆく水や竹に蝉なく相国寺」 鬼貫 (2017.07.28)
昭和の風林史(昭和五四年七月二十三日掲載分)
大相場の助走 好材は湧いてくる
奴材料はあとから貨車でくる。
小豆相場は、大相場の初期の段階。
弱気の病気は死に至るやまい。
「ゆく水や竹に蝉なく相国寺 鬼貫」
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「とりどりの紐つながれ土用干」(恒明) (2017.07.27)
昭和の風林史(昭和五四年七月二十日掲載分)
なにを迷うか 買いしかない相場
相場は相場に聞く以外にない。
小豆相場は、なにかを先知している。
日柄も充分である。
「黍青く生簀に土用鰻あり 春一」
きょうから夏の土用にはいる。
土用は士気旺盛にして暑熱甚だしく地気一変す
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昭和の風林史(昭和五四年七月十九日掲載分)
下げ余地ない いずれ低温障害が
涼しい夏が続いている。小豆に低温障害が出るだろう。
買い玉を持っていなければ話にならない。
「樹も石も有のままなり夏座敷 桃隣」
まだ小豆相場には力がついていない。
相場の自力というものが、
ついてきたようでいまひとつである。
これは取組みからきていると思う。
判りやすく言えば、売り屋と買い屋の力量の違いである。
しかし、大勢としては、下千丁あるかなしの相場。
上は二万五千円も三万円もあり得る相場。このように思う。
従って、大勢強気方針。目先は押し目買い―
で相場に自力のつくのを待つのもよいだろう。
ここ両三日、朝がた産地の低温を買って値段は締るが、
あとゆるんでしまう相場が続いた。
そのような相場を眺めて?
もう少し時間がかかりそうだ〟と、誰もが思う。
しかし、産地の低温は、
遠からず小豆の作柄の上に出てくるだろう。
平年作を下回る。あるいは八分作―という段階がこよう。
その時は四千円を買い切っているはずだ。
いまの場合、
三千五百円―七百円とくれば、四千三百円は早くなり、
支援材料次第では早々の踏みと新規買いで、
五千円はS高含みの
強烈な陽線引けで取り切る流れになるはずである。
それが、どのあたりからスタートするかというと、
やはり土用に入っての産地の天候次第となる。
土用の入りが今週金曜の20日。
月曜23日が、いわゆる大暑。
念力のゆるめば死ぬる大暑かな(鬼城)といって、
小暑のあと十五日目、一年中で一番暑い時分である。
この頃のお天気次第でお米にしても小豆にしても、
ほぼ作柄が決まる。
相場のほうは、そのあたり、
25日の天神祭が終ったころから
元気が出るのでないかと思う。
まあ相場なんていうものは、
追いかけて取るよりも待ち伏せをかけて流れに乗るほうが
気苦労せず利幅も大きく取れるものだ。
それには大局を掴み、
三千円ないし五千円幅を充分に取り切ることである。
いまの場合なら、先物三千円割れは買っておく。
二千五百円以下があるかないかは判らない。
たとえあっても二千二百円。
このあたりは、
売っている人たちのほうが引きたいから付くまい。
ともあれ(1)底が入った相場である。(2)安値取組み。
(3)人気が強くなれない。(4)下げ日柄充分になった。
故に買い玉を持っていたほうが楽しみが多い。
●編集部註
国内外を問わず、
穀物相場の面白いと同時に恐ろしいところは、
一度火がつくと一気呵成、
ロケット花火のように飛んでいく相場が多いという事。
「押し目待ちに押し目なし」
「買えない相場は強い」を
地で行く展開になる。