証券ビュー

森羅万象

当て事と越中褌 前から外れる (2019.03.01)

昭和の風林史(昭和五八年二月十八日掲載分) 
閑散に売りなしというが
豆腐が一、〇〇〇円になる日(実業之日本・九八〇円)
という本は参考になる。
高いと買いたい、安いと売りたい、
動かねば判らない。
これが相場である。
これでは儲からないが、
これでないと取れない相場もある。
その区別が難かしい。
絶対の絶―と。
たとえば
セールスマンが言ってくる。
あるいは相場巧者の事情通が
教えてくれる。
たいがい、相場はそうならず
逆になるものだ。
早耳の早倒れ。
あるいは
相場は人気の裏を行くから
困ったものだ。
人気の裏を行く
と思って
そちらのほうを押さえたら、
人気通りまともに行ったり。
輸入大豆相場は
大底が入っていると思う。
しかし
弱気している人は思わない。
これは、
随分あとからになってみないと
判らない。
中国大豆の圧迫。
これにおびえている。
売り方は中豆が命綱である。
世の中、
あてごとと越中褌は
前からはずれる

叩き材料の中豆の
あてがはずれた時が怖い。
ある読者、えらい元気がない。
『おとうちゃんは、
調子のよい時は、
毎晩お酒ばっかり飲んできて、
利食いしたお金は、
ちっとも持って帰らず、
玉ばかりふやして。
それで曲がったら借金走りまわり、
今度はやけ酒ばかりで』
家内に
きつう説教されたんですと。
気にしない気にしない、
よくある事です。
いままでは、
そうも思わなかったのですが、
やはり年ですかな―と。
相場全般、
なんとなく不透明になって
儲けにくい空模様のようだ。
春の海ひねもす
のたりのたりかなで
気長にいきましょう
というしかない。
乾繭は
あの高いところ掴んじゃった。
砂糖は回転してたが、
これも捉まった。
小豆は売り上がって、
きついところ。
輸大は
水風呂からあがれない―。
だからそんな渋い顔ですか。
●編集部註
 こおいう世界に長年いると、
冒頭の文章の逆で
高いと売りたい、安いと買いたい、
となる。
 では、実際に儲かっているのか
というとそんなに儲かっていない。
参入タイミングが
遅すぎたり早すぎたり、
損切りが早かったりするのだ。
 所詮、この世は住みにくいし、
相場は難しい。
 豆腐一丁1000円は
大外れである。
平成も終わろうとしている現在、
ちゃんと作ると2万円だ。
 国産でちゃんと作って、
しかもスーパーや百貨店で
流通している高級品だと
400~500円。
逆に大手スーパーの
特売品は50円くらい。
食べ比べると判る。
50円の方は白色無味の
柔らかい塊だ。
その柔塊豆腐コスプレさえ
最近値上がりしており、
今がスタグフレーションである事を
実感する。

我れ出でて利あらずの時迷う時は皆が迷う (2019.02.28)

昭和の風林史(昭和五八年二月十七日掲載分) 
我れ出でて利あらずの時
輸大も小豆も方針としては、
なにも変わっていない。
相場は待つという時もある。
閑な時は朝から、なんとなく判るし、
相場が激しい時も
場が立つ前から予感するものである。

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堂々の陣を撃つ勿れ 材料こねまわすと相場が判らない (2019.02.27)

昭和の風林史(昭和五八年二月十四日掲載分)
堂々の陣を撃つなかれ
百も承知の中豆弱気論は
脱糞した便をこねまわし、
なにを食った糞かの解説者だ。

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勝者は勝ちやすきに勝つ (孫子兵法) (2019.02.26)

昭和の風林史(昭和五八年二月十二日掲載分) 
勝者は勝ちやすきに勝つ
大衆パワーは
勝ち味をおぼえ
行くところ敵なし
出遅れ輸大を買う。この熱気凄い。
大衆の熱気というべきかムードで買う。
円が高い→よろしい大豆は押すだろう→
押しを買おう。思ったほど下げない。
しからば少し買ってみよう→
相場は高い→買い玉は回転。
また押しを待つ。
大豆だけ見ている大豆商売専科は、
判らないと首をかしげる。
砂糖にしても
砂糖のみ見ている砂糖専科は、
相場が判らない。
ゴムまた然り。
輸大は、シカゴ大豆期近が、
言っていた五㌦86の抵抗トレンドにきた。
ここで止まるはずだが
行き過ぎて五㌦82は、
向こうの投機筋も買う半値押し。
コーンが高いから
シカゴのムードも上げ潮である。
輸大の当限ピン受け作戦は
大きな反響を受けた。
叩き屋ヘッジャーに、
そうそうやられてたまるかい
という反発心がある。
よろしい、
仲間達で三枚ずつ受けよう―
という声もあった。
これが人海戦術で
全国的な波になれば
四、五百枚の玉は消えてしまう。
大衆筋は
ゴム、精・粗糖、輸大で
勝ち味をおぼえた。
このムードが怖い。
孫子兵法でいう
『勝者は勝ちやすきに勝つ』だ。
それ即ち勢いなり。
売り屋は
唖然とする大衆パワーの源泉が
判っていないからだ。
お金があり余って行き場を求めている。
そして
“我れにセントへれんちゃんあり”。
エルにょろにょろもある。
四千円抜けから
四千五百円に進むトレンドだ。
定期は場勘戦争だから、
現物ヘッジの輸入商社だって
S高連発がくればオーバーヘッジ分は
火だるまで踏み上げてくる。
どうも、そのような相場になりそうだ。
小豆は大衆見向きもしない。
それでよいのだ。
小さな小さな盆ゴザである。
しかもホクレンなどの
いんちきサイコロ見破っているから
近寄らない。
●編集部註
 二日続けて〝小さな盆ゴザ〟のお話である。
今と違って、この頃は時代劇が
テレビでも映画でも
当たり前のように流れていたから、
読む側も理解しやすかったろう。
 理解は出来たが
行動出来なかっただけだ。
いや、自分が昔の時代劇で
進藤英太郎が演じているような
悪い貸元だと
気づいていなかったのだろう。
 長いものに巻かれず、
忖度もせず、
ビジョンを持ち
素人さんを大事に育てていれば、
賭場はラスベガス並みになり、
取引所はシカゴ並みになり、
「オーシャンズ11」や
「大逆転」のような映画の1本や2本、
日本を舞台に作られていた事だろう。

鳴動 押し目はバネの役 (2019.02.22)

昭和の風林史(昭和五八年二月九日掲載分) 
輸大の押し目はバネの役
輸大は押し目の入るところ。
再び買い場待ちでよい。
小豆は八千円割れから急。
えてして相場はこんなものである。

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