「百姓の綺麗な庭や盆休み」 鳴芒子 (2017.08.21)
昭和の風林史(昭和五四年八月一四日掲載分)
押し目完了す 爆発力は充満せり
取組み増大は、マグマ噴出の前兆、
活火山大爆発ということになろう。
天候も悪くなりそうだ。
「百姓の綺麗な庭や盆休み 鳴芒子」
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昭和の風林史(昭和五四年八月九日掲載分)
警戒人気強い だけに再爆騰する
小豆相場は警戒人気ばかりが強い。
それに大々的な踏みが出ていない。
押したあと再爆発する。
「古市や秋立ちそめし紺暖簾 滴萃」
去年の今時分、
大同物産の松本支店で投機研究会があり、
横ゆれの激しい満員の電車で、
まっ黒のお城のある信州松本まで出かけた。
今年は第一商品が、この11日の土曜日に金沢で
〝株式と商品の講演会〟があり、
九時五分発「雷鳥」で行かなければならない。
金沢には、農林水産省の堤前課長が
農政局の次長さんで頑張っている。
金沢に遊びに来い―と、常々おっしゃるが、とにかく忙がしい。
〝亜民さん〟が農政局の偉いさんとして、
どんなふうに一人暮しを楽しまれているのか、
見にいきたいものである。
去年の今時分であったが、
山本博康先生や江口商事の児玉社長、
そして岡本氏、藤田氏が堤さんを大阪に御招待して、
夜遅くまでお酒を飲んだ。
岡安の岡本明社長は、愛用のロールスロイスを走らせて、
小生も乗せてもらった。
当時、農林大臣だった中川一郎さんも、
大阪に来ると岡安さんの、この車を使用する。
博康先生のキャデラックには、
よく乗せていただくが、ロールスロイスも、
また乙な車だと思った。
サウナ風呂の前に、横付けすると、
すぐ人だかりがして、のぞき込んでいる。
〝亜民さん〟と小生と、変なのが二人乗っているわい―と、
のぞいた人は妙な顔をしている。
〝亜民さん〟は、かれこれ一年、
金沢での一人暮しは、もうまいったよ。
早く東京に帰りたい―と、暑さに、弱ったふうだった。
さて、相場のほうは、
飛んであけた窓を、飛んで下げて、激しくなった。
三晶やホクレンが売ったのに提灯もついた。
産地の天候回復も高値警戒感を強めた。
しかし、取組みは増大傾向である。
産地天候も再び下り坂だ。
売り方は、ただただあきれたわけだが、
相場としては肝心の大踏み上げがまだ出ていない。
それに、買い仕手がいないのだから、
提灯のつけようもない。
作柄が更に悪くなれば、こ
こでの押し目が、再爆発のバネになる。
先限引き継ぎ線で新高値に買われた以上は、
少々押し目を入れても、
新値圏の新しい相場になるだろう。
強気は、適当な押し目と判断する。
弱気は、もう天井だと見る。
6日にあけた窓を埋めると、
再度新値に買う力を相場は持つだろう。
どこを買っても間に合う。
●編集部註
今の人は〝亜民さん〟が
イディ・アミンのモジりとは気付かないだろう。
資源ナショナリズムと〝先進国〟の傀儡が
まだまだぶつかり合っていたこの頃、
鉱物資源とコーヒーが豊富なウガンダで、
アミン大統領は独裁者として恐怖政治を敷いていた。
彼が反体制クーデターで失脚したのが79年。
1月にアントニオ猪木と異種格闘技戦を行う話が持ち上がり、
開催寸前まで進んでいたという。
「秋たつや何におどろく陰陽師」与謝蕪村 (2017.08.17)
昭和の風林史(昭和五四年八月八日掲載分)
無抵抗圏内へ 作柄ズカズ力悪い
乗り遅れた人が多い。相場様は先をお急ぎだ。
今から飛び乗っても充分間にあう。
「秋立つや籔下刈りも昨日今日 杜羊子」
本日立秋。
小豆相場は当限が、その一代棒で三分の二戻しを達成した。
先限の引き継ぎ線は新高値に躍進した。
小豆市場で心の晴晴しない人たちにとっては、
あれよ、あれよという間にこんな値段になっていた。
相場様が、先をお急ぎになっている。
強気している人にとってさえ、
うっかりしていると買い玉が取られている
(利食いしている)。
非常にテンポの早い相場である。
北海道の作柄のほうは土用に入って以来、
ガーンと照りつけるところがなかったため、
収穫予想は不良になろうとしている。
あと、秋が早い予報だけに、
低温→長雨→早霜という、冷害・凶作決定的な場面に
突入していくだろう。
相場のほうは、これはもう理くつなしである。
弱気の病気がなおらない人にとっては、釈然としない。
そんな馬鹿な―という考えがどこかにある。
また今に見ておれ大暴落があるさ―
という負けおしみも強い。
それらがミックスされて意地になる。
仕手が煽っているわけでない。
だけに強気にすれば判りやすい相場だ。
飛んで跳んで窓あけて、
踏んで踏んで腹立てて、
アンドロメダ三万六千円相場である。
取組みは漸増傾向である。
逆ウォッチの線ではどこを買ってもよいし、
買い、また買うところだ。
弱気は、こんなところを―と思うが、
それは一種の値頃感である。
また、深押しがあるだろうと思うのは、
はかない期待感である。
売りたい病気にかかったら、なんともならん。
もの事は、ひとつケチがついたら、とことんあかん。
今年の作柄など出足から変だった。
去年、よすぎた反動である。
与謝蕪村の句に、
「秋たつや何におどろく陰陽師」というのがある。
まさしく今の小豆弱気の図である。
どこを買ってもよいと思う。
相場は相場に聞けである。
ひと昔前の、
冷害凶作年の小豆ケイ線を参考にすれば判りやすい。
それにしても、
カラーッと強気になりきれない市場である。
それだけに、ますます相場は大きくなる。
いま弱気筋が頭の中で考えている場面は、
三万円に乗せてからになるだろう。
それまでには、なお三千丁の上値を、ゆっくり残している。
●編集部註
「アンドロメダ」という言葉が、
このところ頻繁に文中に入っている。
この年の夏、東映は宇宙戦艦ヤマトと
銀河鉄道999の映画版を公開していた。
後者の主題歌はゴダイゴが歌っていた、
今でも耳にするあの曲だ。
昭和の風林史(昭和五四年八月七日掲載分)
先を急ぐ相場 あとは新値新値と
小豆相場は先をいそぎだした。
踏むに踏めない連発S高の可能性も濃い。
夏休みは返上。
「おいてきし子ほどに遠き蝉のあり 汀女」
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