証券ビュー

森羅万象

気迷い深めかげりが濃い支柱がない (2017.08.28)

昭和の風林史(昭和五四年八月二二日掲載分)
天候次第だが 買い屋にかげりが
市場は悲観人気に傾いている。
買い方は支柱がないため、
気迷いを深めかげりが濃い。
「なきそめし今宵の虫は鉦叩 素十」

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気迷い相場 腹をくくってかかる (2017.08.25)

昭和の風林史(昭和五四年八月二一日掲載分)  
中盤の激戦地 強烈切り返しあり
小豆は中盤戦の激戦地である。
余程、腹をくくってかからないと、
売り方も買い方も飛ばされる。
「普請場に散る鉋屑鳳仙花 恒明」
週明け小豆相場は夜放れ安して、
ストップを付ける限月も出た。
山種、丸梅、土井、明治などの纏った売り物が注目された。
台風10号が北海道に影響しなかった事や、
週末の引け味が悪かった事など、
市場人気は急速に弱くなっている。
先限引き継ぎ線では五千七百円あたりが、
上げ幅に対して三分の一押しである。
そのあたりは、一応買い方にしても、
あるだろうという予測をしていた。
産地天候が、土用を過ぎて高温に恵まれ、
一時懸念されていた大凶作の予測が遠のき、
八分作ないし平年作という段階まで、
作況が回復した事から、
二万七千円台は、買い方、守備出来ず、
高値買い付き玉の重味が表面化した下げである。
週明けの棒下げで、この相場に亀裂が入ったものか、
それとも、あくまで押し目なのか。
弱気陣側は、天井打って、
相場は戻り売りのコースに入った
と見るのが当然である。
強気側は、気迷いである。
三分の一押しで、一ツの急所にきているのだが、
芯になる買い方がない。
あとは、産地のお天気。
即ち低温、長雨、早霜、台風である。
強気側に、信念がない。
静岡筋も投げている格好である。
土台、この相場は静岡筋が介入してから
変な具合になった。
そういう事から、静岡筋が抜けてくれたほうが、
すっきりしたものになる―と好感する向もある。
これから市場人気が
手の平を返したように弱くなれば、
相場は、思ったほど下げないと思う。
買い方は、しばらく苦しい戦いを
闘わなければならないかもしれない。
売り方は、暑い夏を辛抱してきて、
週明けの相場で愁眉を開いた。
玉の回転が利くところである。
しかし、作柄がほぼ決まるまでは、
売り込むのもあぶない。
気やすめではないが、
11限、12限の五千円割れの二万四千円台は、
買い玉をほうり込み、
早霜一発に賭けるという勝負手が
利くのではないかと思う。
高値で玉を拡げて、追証に攻められ、
持ちこたえ出来ない人は、
玉減らしの投げしかない。
ともかく
中盤戦の激戦地にはいっているのだから、
余程、腹をくくってかかる事である。
●編集部註
そういえば生前、自身で記しておられた
「風林火山は当たっている時より
曲がっている時の文章が面白いと言われる」と。
実際にそうだと思う。 
真の人間性は、
ピンチに追い込まれた時に出る。

「裏口の隣り合せやちちろ鳴く」 恒明 (2017.08.24)

昭和の風林史(昭和五四年八月二十日掲載分) 
高温も峠越し 秋は駆け足で来る
今週は今までとは違った動きの小豆相場になりそうに思える。
天気が崩れたらS高もあろう。
「裏口の隣り合せやちちろ鳴く 恒明」 

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「大文字浮べてすべる賀茂の水」 孤舟 (2017.08.23)

昭和の風林史(昭和五四年八月一七日掲載分)
作況発表待ち 大勢は押し目買い
20日の作況発表待ちである。
来週から市場は活気を取り戻すだろう。
相場勝負どころにはいる。
「大文字浮べてすべる賀茂の水 孤舟」
輸大とは売るものなりと見つけたり。
近頃、そう思うようになった。
輸大市場の人気は弱いし水準も実によく下げたあとだが、
下げ余地がなくて戻す。その戻りは、すかさず売られる。
まるで売られるために戻すみたいで悲しい。
輸大相場を買いで取るのは
四月、五月、六月のシーズンぐらいだ。
そして大相場というものは三年に一回か五年に一回である。
あとは売っておけば、期近に回わってサヤすべりしている。
輸大市場の構造は、
ガリバー型の売り方(攻撃的ヘッジャー)と、
小人(こびと)型の大衆投機家の慢性的下長(買い)である。
シカゴが、余程エキサイトしない限り
国内の輸大相場を買っても利益することはない。
まさしく輸大とは売るものなりと見つけたり
―の哀しき相場だ。
小豆相場は目下産地天候次第の動きで、
ひと通り、売る人は売り、買った人は買って、
新たな展開待ちである。
相場の地合としては感心したものでない。
しかし、産地の天候が再び悪くなれば、嫌な地合も一変する。
それがあるから、弱気筋は慎重である。
お天気だけは、どう転ぶか判らない要素が多い。
まして北の国の気象は変化が早い。
盆の休みが終って、ぼつぼつ秋の需要期控えで
末端の荷動きも見られることであろうし、
取引員各社の営業も
ダラダラと夏休みしているわけにはいかん。
20日の農水省第一回作況発表(八月一日現在)を
きっかけにして市場は活気を取り戻すことであろう。
線型は、先限引き継ぎ線で、
上げ幅の四分の一押し(六千二百円どころ)か、
三分の一押し(五千七百円どころ)を
強気側は急所の買い場と見ている。
ここのところ産地の高温が続いたが、
これから先、もう、このような高温は望まれない。
気温は下がる一方だし、
来月に入ると早霜の不安がつきまとう。
いまのところでは八分作という見方で、
相場も七分作ないし八分作を買った―と、
されている。
農水省が八月一日時点で作況を、
どのように調査したか、
二十日の発表が待たれるところだ。
咋年は21日の発表で作付け三万四千百㌶、
作況「良」だった。
●編集部註
閑散に売りなしという。
この年の6月、
東京の大豆相場の取組は7万枚近くあった。
それが、この頃5万枚を切っていた。
結局この相場は8月と9月でダブル底、
7~10月のなべ底で飛翔。
11月に一度崩れたが、
上げ基調は翌年3月まで続いた。

買い方芯がない 浅くも深くもなる (2017.08.22)

昭和の風林史(昭和五四年八月一五日掲載分)
お天気睨んで 押したり突いたり
閑だから元気がないのか、元気がないから閑なのか。
お盆のあいだは仕方がないのか。
「大文字浪花につとめ京に住み 歩」

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