「人の来てつくつく法師つまづきぬ」 且鹿 (2017.09.04)
昭和の風林史(昭和五四年八月二九日掲載分)
人気は弱いが 売るしかない相場
作柄に異変がなければ、この小豆相場は下げるしかない。
戻したところは売られよう。
「人の来てつくつく法師つまづきぬ 且鹿」
小豆市場は投機筋に力がないから半値地点で止まらず、
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「おしろいの花の紅白はねちがひ」 風生 (2017.09.01)
昭和の風林史(昭和五四年八月二八日掲載分)
戻す力がない 売り場待ちの様相
小豆相場は戻す力があるのだろうか。
戻せば、すかさず売られるだろうと思う。
「おしろいの花の紅白はねちがひ 風生」
香港の「金銀業貿易場」(金取引所)と
「香港証券交易所」(証券取引所)と、
十月から日本と同じ方法の板寄せ方式で取引を開始する、
香港の新しい商品取引所を見てきた。
歴史の古い「金銀業貿易場」は活発な立会いで
取引量も年々増大し、取引所としての機能を果している。
少し大袈裟に表現すれば
立会場は立錐の余地もないほどの人で、商いが成立すると、
売り方、買い方が肩を抱き合う面白い習慣が見られた。
証券取引所の場は
広大な場所にブローカーの席が雛壇式に並び、
その前面に黒板があって37台のカメラが設置され、
ブローカーの席に電話とテレビ受像器があって、
電話で売買注文が入ると、
場立ちが前面の黒板のところまで走っていって、
銘柄の下に自分の会社の符号と
売り希望なら売りの欄に値段を記入する。
テレビのスイッチを変えながら
場立ちは次々新しい売り値、買い値が
記入されていくのを電話で伝えるという、
日本とは、まったく違う、静かな立会い風景だった。
新しい商品取引所のほうは
場が引けたあとだったので、人の気配はなかった。
いずれも香港の証券と商品の
会員である「経烈商品有限公司」のLINさんと
CHOIさんに御案内いただき、
そのあと清潔で機能的な
「経烈商品有限公司」の本社で
商品取引のスライド写真を見せてもらった。
思った事は、香港経済はかなり好況のようである。
そして商品取引についても、東京と香港は、
きわめて近い関係にある事を認識した。
われわれの知らなかった部分を
見る機会を得たことは有意義であった。
日本の小豆相場や
輸大相場(あるいは毛糸、綿糸、砂糖、ゴム)
については、むこうにいて各節の値段が判る。
しかし、やはり人気があるのは
金価格の変動に対する思惑のようである。
帰国して小豆相場の情況を見たが、
どうなんだろうか。
ほんの、ちょっとの期間でも相場から離れると、
相場観が煙のように?めなくなる。
線型は、半値押し地点でひっかかった格好だ。
北海道の作柄が回復したのでは戻ると売られよう。
いまひとつ玉整理が不充分の
小豆相場のように思えた。
新規仕掛けにくいだけに閑になるのだろうか。
●編集部註
異論はあるだろうが、
板寄せというシステムは理に適っていると思う。
特に、商いの薄い銘柄を
ザラバ取引で行うのは自殺行為だとさえ思う。
何でもかんでも
新式で欧米基準にすればいいというものではないと思う。
「砂風の後に浮かぶや赤蜻蛉」 百閒 (2017.08.31)
昭和の風林史(昭和五四年八月二五日掲載分)
悪い相場でも 投げたらしまいさ
投機家は相場様という悪魔に翻弄されても
市場から離れきれない。
それは魂を売ったからである。
「砂風の後に浮かぶや赤蜻蛉 百閒」
相場というものは、踏んだらしまい。投げたらしまい
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昭和の風林史(昭和五四年八月二四日掲載分)
ドカ安だけに アク抜けも早いか
急落あれば急騰あり。これが天災期の波動である。
見切り千両だが、ねばり千両でもある。
「朝風や声新しき法師蝉 葛彦」
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